/ 6月 17, 2019/ 静岡代数学セミナー

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  第24回静岡代数学セミナーのお知らせ
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日付:2019年7月12日(金), 13日(土)
場所:静岡大学理学部 C 棟 309 号室
案内:http://www.shizuoka.ac.jp/access/map_shizuoka.html
   理学部 A 棟1階から入り,エレベーターで4階まで上がり,
   渡り廊下を渡ると,理学部 C 棟の1階に着きます。
連絡:浅芝秀人 (asashiba.hideto+),毛利出 (mori.izuru+),木村杏子 (kimura.kyoko.a+)
   (+ := @shizuoka.ac.jp)
注意:土曜日,理学部棟は施錠されています。
   鍵を開けるため9時すぎから9時半近くまでA棟1階の入り口に人員を配置します。

部分参加も大歓迎です。
その場合,土曜日の1コマ目に遅刻する可能性があれば,事前に連絡しておいてもらった方が無難です。
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プログラム

●7月12日(金)

13:30 – 14:30 毛利出(静岡大学)
Noncommutative Matrix Factorizations and Knörrer’s Periodicity Theorem

14:45 – 15:45 中島健(静岡大学)
2Dパーシステント加群を区間分解する手法とそれによる近似について

16:00 – 17:00 埴原紀宏(名古屋大学)
米田多元環のCohen-Macaulay表現論, I

18:30 – 懇親会

●7月13日(土)

09:30 – 10:30 村井聡(早稲田大学)
基本群の生成元の個数と単体的複体の辺の個数

10:45 – 11:45 臼井智(東京理科大学)
フロベニウス多元環の完備コホモロジー上のBatalin-Vilkovisky構造について

13:15 – 14:15 埴原紀宏(名古屋大学)
米田多元環のCohen-Macaulay表現論, II

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アブストラクト

● 毛利出(静岡大学):Noncommutative Matrix Factorizations and Knörrer’s Periodicity Theorem

This talk is a report based on a joint work with Kenta Ueyama. In commutative ring theory, Knörrer’s periodicity theorem is a powerful tool to study Cohen-Macaulay representation theory over hypersurfaces, and matrix factorizations are essential ingredients to prove the theorem. In order to study noncommutative quadric hypersurfaces which are major objects of study in noncommutative algebraic geometry, we introduce a notion of noncommutative matrix factorization and prove noncommutative graded versions of Eisenbud’s theorem and Knörrer’s periodicity theorem. If time permits, we discuss applications to noncommutative quadric hypersurfaces.

● 中島健(静岡大学):2Dパーシステント加群を区間分解する手法とそれによる近似について

位相的データ解析(Topological Data Analysis, TDA)の分野で使われるパーシステント図(persistence diagram, PD)は、多元環の表現論の立場から見ると、与えられた$A_n$型クイバーの表現(1Dパーシステント加群)の直既約分解を計算し、その結果をARクイバーの各頂点にプロットしたものになっています。この視点はパーシステント加群の高次元への一般化を可能にしますが、それにあたって「無限表現型多元環上の加群の直既約分解」という難題が立ちふさがります。本講演においては、与えられた2Dパーシステント加群を「区間加群(interval module)」という有限個の直既約加群の範囲で “分解” するメソッドを提示し、さらにそれが元の加群の特徴量を保っていることを見ます。時間が許せば、プログラムによるメソッドの実演や、表現論的に興味深い具体例の紹介などもできればと考えています。なお、本講演の内容は浅芝秀人・E. G. Escolar・吉脇理雄らとの共同研究に基いています。

● 埴原紀宏(名古屋大学):米田多元環のCohen-Macaulay表現論

環$Λ$と$Λ$加群$M$に対して、加法群$\bigoplus_{i\geq0}Ext^i(M,M)$上に拡大の合成によって積を定めた次数付き環を米田多元環といい、環論や表現論でよく調べられている対象である。我々は以下の設定で米田多元環を考察する:$Λ$は体上の有限次元代数で有限表現型であるもの、$M$は$Λ$加群の圏の加法生成元。本講演では、このように定められた米田多元環の連接性、Gorenstein性、Cohen-Macaulay安定圏の表示など、基本的な性質を紹介する。

● 村井聡(早稲田大学):基本群の生成元の個数と単体的複体の辺の個数

スタンレー・ライスナー環を用いて単体的複体の面の個数の上限・下限を与えることは、代数的組合せ論における基本的な手法の一つである。スタンレー・ライスナー環を用いる手法は、単体的複体のホモロジーと非常に相性が良いことが知られているが、基本群などのより高度な位相的情報を環の立場から捉えることは難しい。
 本講演では、polyhedral Morse theory と呼ばれる組合せ論の手法と、スタンレー・ライスナー環のベッチ数の上からの評価を組合せることで、ホモロジーは消えているが単連結ではないような場合にも、単体的複体の辺の個数を下から評価出来ることを紹介する。

● 臼井智(東京理科大学):フロベニウス多元環の完備コホモロジー上のBatalin-Vilkovisky構造について

1957年に中山正は,有限群のTateコホモロジーの類似物として,フロベニウス多元環の完備コホモロジーを導入した.完備コホモロジーは多元環のホッホシルトコホモロジーの次数に関する拡張とみなすことができる.最近,完備コホモロジー上にGerstenhaber構造が発見された.Gerstenhaber 構造とは,可換環構造とLie 代数構造の組で, それらが次数付き微分の関係式を満たすというものである.一般に,Gerstenhaber 構造の計算は困難で,特に,Lie 代数構造の計算は極めて難しい.これに対して,環構造を用いてLie 代数構造を生成するBatalin-Vilkovisky 構造(BV 構造) が近年注目されており,対称多元環に対しては,完備コホモロジーはBV構造をもつことが知られている.本講演では,対角化可能な中山自己同型を持つフロベニウス多元環の完備コホモロジーがBV構造をもつことを紹介する.

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