日 時: 2017年12月8日(金), 9日(土)
場 所: 静岡大学理学部 C 棟 309 号室
案 内: http://www.shizuoka.ac.jp/access/index.html
理学部 A 棟1階から入り,エレベーターで4階まで上がり,渡り廊下を渡ると,理学部 C 棟の1階に着きます.
連絡: 浅芝秀人 (asashiba.hideto+), 毛利出 (mori.izuru+), 木村杏子 (kimura.kyoko.a+)
(+ := @shizuoka.ac.jp)<>
注意: 土曜日,理学部棟は施錠されています。
鍵を開けるため9時すぎから9時半近くまでA棟1階の入り口に人員を配置します。
部分参加も大歓迎です。
その場合,土日の1コマ目に遅刻する可能性があれば,事前に連絡しておいてもらった方が無難です。
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●12月8日(金)
13:30 – 14:30 平野雄貴(京都大学)
Derived factorization categories and Knörrer periodicity, I
14:45 – 15:45 淺井聡太(名古屋大学大学院)
セミブリックとτ傾理論
16:00 – 17:00 中嶋祐介(Kavli IPMU)
Several algebras arising from dimer models, I
18:30 – 懇親会
●12月9日(土)
09:30 – 10:30 中嶋祐介(Kavli IPMU)
Several algebras arising from dimer models, II
10:45 – 11:45 淺井聡太(名古屋大学大学院)
前射影的多元環のブリック
13:30 – 14:30 平野雄貴(京都大学)
Derived factorization categories and Knörrer periodicity, II
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アブストラクト
- 平野雄貴(京都大学):Derived factorization categories and Knörrer periodicity
The theory of matrix factorizations was introduced by Eisenbud to study the representation theory of (maximal) Cohen-Macaulay (CM) modules over hypersurface singularities, and Knörrer showed an equivalence of categories of matrix factorizations, know as Knörrer periodicity, to apply it to study the representation theory of CM modules over higher dimensional simple singularities. In the first talk, I will give a brief introduction of matrix factorizations. I will explain the correspondence of the (homotopy) categories of matrix factorizations and the (stable) categories of CM modules over hypersurface singularities, and explain Knörrer periodicity. In the second talk, I will introduce a generalization of categories of matrix factorizations, introduced by Positselski and called derived factorization categories, and the result of global version of Knörrer periodicity which is an equivalence of derived factorization categories. - 淺井聡太(名古屋大学大学院)
(1) セミブリックとτ傾理論
今回の講演では、体上の有限次元多元環の表現論を扱います。ブリックやセミブリックは、単純加群や半単純加群を一般化したもので、表現論においてとても基本的な対象です。 私は、τ傾理論の方面から、セミブリックの研究を行っています。τ傾理論は、足立–伊山–Reitenにより導入された手法のひとつで、Auslander–Reiten変換τを用いて定義される、台τ傾加群を用いるのが特徴です。 私は、先行研究の結果を踏まえ、ねじれ類に関する有限性条件を満たすセミブリックと、台τ傾加群との間の、1対1対応を与えることに成功しました。 このコマでは、この全単射を軸に、τ傾理論におけるセミブリックの役割について話し、その中で2コマ目に必要な性質にも触れる予定です。
(2) 前射影的多元環のブリック
前射影的多元環の表現論の研究は、対応するCoxeter群Wとの関連を考えることで進展してきました。その中で、今回の私の研究の出発点となったのは、水野有哉氏による、Wから台τ^{-1}傾加群全体の集合への、有限束(lattice)としての同形射です。ここに1コマ目の結果を使うと、Wの元とセミブリックとの間に全単射が作れます。 この全単射で各w \in Wから得られるセミブリックを具体的に与えることが、この研究の目標です。鍵となるのは、Readingによって導入された、束の「標準結び表現」という概念です。私の研究の中でセミブリックをブリックに分解するという自然な操作は、Wの側では標準結び表現をとるということに対応することが分かりました。今回の講演は、このような理論的な側面について主にお話しし、時間があれば具体的なセミブリックの与え方についても扱う予定です。 - 中嶋祐介(Kavli IPMU):Several algebras arising from dimer models
本講演ではダイマー模型と呼ばれる実2次元のトーラス上に描かれた2部グラフを扱います。 ダイマー模型は元々、統計力学の分野において導入された概念ですが、2000年代に入ってから多くの数学分野との関連が明らかになってきました。 本講演では特に、ダイマー模型から得られる可換代数(トーリック環)と非可換代数(Jacobian代数など)に焦点を当て、それらの性質や関連性についてお話しします。