日 時: 2007年10月19日(金), 20日(土)
場 所: 静岡大学理学部 C 棟 309 号室
案 内: http://www.shizuoka.ac.jp/ippan/shizuoka.html
理学部 A 棟1階から入り,エレベーターで4階まで上がり, 渡り廊下を渡ると,理学部 C 棟の1階に着きます. 連絡:浅芝秀人 (shasash+),毛利出 (simouri+)
プログラム
10月19日(金)
13:00-14:00 高橋篤史(大阪大学) 「ミラー対称性に現れる有限次元代数」
14:30-15:30 加藤希理子(大阪府立大学) 「Stable module category (加群の安定圏について)」
16:00-17:00 柳川浩二(関西大学) 「組合せ論的可換代数入門」
18:30-20:30 懇親会
10月20日(土)
09:00-15:00 質問および討論(途中に昼食をはさんで)
土曜日だけの参加も可能ですが,その場合は事前にご連絡ください. (土曜日,理学部棟は施錠されています.)
要約
- 高橋篤史
有限次元代数の表現論とコーエンマコーレー加群の表現論はとても似ています. ある良い状況下では,これは単なる類似ではありません. それぞれに付随する三角圏の間に,「ミラー対称性」から自然に導かれる 三角同値があることが示されます. この講演では,ミラー対称性の「心」を述べた後に, 行列因子化を用いて具体的にこの三角同値を説明したいと思います. - 加藤希理子
安定圏は、表現論において頻繁に用いられる道具であるが、 ここでは、鎖複体のホモトピー圏との対応を考えることにより、 三角圏との関連に焦点をあててみよう。 安定圏は必ずしも三角圏にならないが、三角性を測る方法はあるのか。 フロベニウス圏は、特別な性質をもつアーベル圏で、その安定圏は三角圏となる。 それでは、ホモトピー圏をフロベニウス圏の安定圏として意味づけることができるか。 これらの問題に関して、最近の結果も併せてお話します。 - 柳川浩二
有限単体的複体や凸多面体の組合せ論的研究には、正規アファイン半群環 (トーリック多様体の座標環)等、可換環論の手法がしばしば有効で、 「組合せ論的可換代数(Combinatorial Commutative Algebra)」 と呼ばれる研究領域が成立している。 とくに、多項式環を被約な単項式イデアルで割って得られる剰余環は、 Stanley-Reisner環と呼ばれ、いたって素朴なものながら、この理論の 中心的な題材である。私は、導来圏や層の理論を用いた独自の手法で、この分野を研究してきた。 今回のセミナーでは、この分野の古典的な結果を、上記の手法からの視点を 強調しつつ紹介させて頂きたい。余裕があれば、私自身の結果にも触れる。