/ 4月 13, 2007/ 講演会・談話会・最終講義

日 時: 平成19年4月13日(金)午後2時半から3時半まで
場 所: 理学部C棟3階C309
講演者: 源 泰幸(京都大学)
題 目: ベイリンソンの定理と非可換代数幾何学
内 容: 射影空間 P^n の連接層の導来圏はある有限次元代数 B_n の加群の導来圏と同値であるという事実はベイリンソンの定理として知られています。近年盛んに行われている代数多様体の導来圏の研究においてこの定理は様々な拡張がなされていますが、元々の定理を見直してみると代数幾何学において射影空間 P^n は基本的な対象であるのに対応する有限次元代数 B_n はそれほど単純なものではありません。今回発表する結果は、自明なものの次に単純なある有限次元代数 A_n の加群の導来圏はある非可換射影空間の連接層の導来圏と同値である というものです。 代数多様体の導来圏の研究においても非可換代数多様体が自然と現れてくるということです。そうは言っても、非可換代数幾何学はまだまだ新しい確立されていない分野です。今回の結果は非可換代数幾何学の将来性を示すものであると言ってもいいでしょう。今回の講演は先ずベイリンソンの定理の紹介をしてから、それと比較しながら自らの結果を紹介したいと考えています。

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