エネルギー・ハーベスティングの鍵となる回路
太陽光発電や熱電発電などから直流電力を得る技術、あるいは振動発電や電波などから交流電力を得る技術はエネルギー・ハーベスティングと呼ばれている。エネルギー・ハーベスティングで収穫したエネルギーによって、バッテリーを搭載しないセンサーや集積回路を動作させることができ、あるいは搭載したバッテリーの寿命を延ばすことができる。得られた直流や交流電力を集積回路が必要とする数100mV~1Vの直流電力に変換する回路が電力変換回路である。この電力変換回路には、いかに収穫したエネルギーをロスなく電力変換できるかが大事な性能指標となる。
この電力変換回路が重要になるもう一つの分野は体に埋め込む健康器具である。例えば、心臓の脈動を補助するペースメーカーは平均7年程度に一度バッテリー交換のために外科手術が必要になっている。体外から無線で電力を伝送し、これを体への影響が小さく低コストで電力変換する回路システムが実現できれば、バッテリー交換の頻度を減らせるので、心と体への負担を減らすことができる。
極低電力入力下で電力変換効率を高める回路システムの研究分野に貢献することを目的の一とする。
逆磁歪発電素子から電力変換を行うClockedAC/DCチャージポンプ
Animation created by Kawauchi
Measurement of Magnetostrictive vibration energy transducer (0.5Voc-0p/1k-ohm at 0.1G) with Clocked AC/DC multiplier to generate 2uA at 2.0V