電気電子学科の必修科目は少なくない。一つでも単位が取れないと卒業できない。三年までに必修科目を取ることが卒業研究に進む条件になっている。一年の必修科目を落としても三年間で取ればいいと思っている学生もいるであろう。担当した必修科目の定期試験で合格できなかった受講生は、出席や宿題提出の回数などが基準を満たしていれば再試験を受けることができる。今回は数時間では終わらない演習問題10問に説明文を付けて回答を提出することを、再試験受験の資格条件とした。例え再試験が満点でも、評価点は60点で評価は「可」となるルールだ。レポートは大変そうだし可しか取れないなら来年再履修でいいや、と考える学生もいるだろう。果たして、レポートを丁寧に書いて期限までに提出し再試験を受けた学生は少数であった。
その科目が得意だとか、テストは要領よくパスしてしまう学生は再試験にはならないだろう。ゆっくり時間をかけて理解していくことが得意な学生には再試験になることがあろう。再試験になって面倒なレポートをしっかり書いて提出できる学生なら、提出した瞬間に合格を出したいくらいだ。なぜなら、社会に出て自分の問題に向き合ってもそういう人なら必ず、逃げないで答えにたどり着くまでやり抜くだろうから。要領の良さはどんな時でも出せるとは限らないが、身に付いた逃げない姿勢はいつも出せる。再試験を受けた学生はすべて合格の「可」であった。再試験の「可」には胸を張っていい。
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