研究室紹介

研究室紹介

当研究室では、生物の進化理論を中心に、世界の先端を創造する研究をします。
研究内容は、生物進化や自然資源、国際経済など幅広い分野のモデリング、動的最適化理論の展開および動的ゲームの開発などです。

生物多様性の問題は、自然資源特に再生可能な資源の保全にとって重要です。
不確定性環境下での確率論的個体群動態は従来の決定論的個体群動態とはその長期的予測や絶滅可能性等の点で大きく異なることが分かってきており、環境の不確定性は異なる表現型の共存を可能にし、個体群および群集の多様性に関連すると考えられます。
しかし、現在この環境の不確定性がどのような影響をもっているかは明らかではありません。
そのため、私たちは環境の不確定性が生物の進化・適応へ及ぼす影響を主に研究してまいりました。例えば生物の種個体群および群集を用いて環境変動に関連した多様性のメカニズムや環境動態を加えた生物の進化史の解明の試みなどです。
現在はコンピューターを大いに活用した様々な理論・モデル・実証の統合研究を中心にすすめています。例えば、素数ゼミ(周期ゼミ)の進化史の再構築、環境不確定性の生物進化の方向性に与える影響、そして、環境変動への適応としての共生や協同行動の進化、ひいては、人間行動の最適化における現代の国際経済における不透明な動向に関する行動経済学・有限経済学の問題などまで扱っていて、生物進化から人間の経済学へと分野を広げている段階になります。
私たちは学問に境界はないと考え、数学・物理学・OR・数理工学・経営工学など広く理論的な手法を用いて、生物学の中でも生態学、進化生物学、行動学、さらには、資源経済学、経済学など多分野にまたがって研究を進めてまいります。

主な研究テーマ例

  • 理論生態学、進化生物学
    環境の不確定性が生物の適応へ及ぼす影響
  • 研究題材例
    (1) 最適化の数理モデル(進化・生態・行動:セミの進化、チョウチョの行動・擬態、ミジンコの卵の大きさ、カケスの卵数、人間の意思決定・ゲーム理論)
    (2) 個体群動態の数理モデル(人間の個体群モデル・絶滅確率、性比・性差のトレイドオフ、昆虫の個体群動態)