Kohei SATO/ 4月 4, 2024/ staff

講師 村上裕哉 Yuya Murakami
静岡大学 浜松キャンパス
(教員室)工学部3号館310号室
(実験室)工学部3号館308, 309号室
Tel & Fax: 053-478-1154
E-mail: murakami.yuhya[at]shizuoka.ac.jp
研究室HP >静大DB >Researchmap >ORCiD

研究キーワード
フロープロセス / 機械学習 / マイクロ流路 / 流動解析 / 物性推算

研究内容1.「ナノ秒」オーダーの高速反応のモデル化を指向した混合状態解析
マイクロ流路に原料物質を流入させ化学反応を起こすことで、連続的に生成物を得るフロー合成プロセスは、生産性、制御性、安全性などの観点から医薬品などの付加価値の高い化合物の製造プロセスへの利用が進められています。特に高速反応を利用した製造においては、滞留時間の制御が容易なフロープロセスは高い有意性を示すことが知られています。
我々は、このような高速反応のより高精度な制御を目指すべく、ナノ秒(0.000000001秒)オーダーの化学反応の追跡が可能な数理モデルの提案を行っています。具体的には、流動による物質の移動と、化学反応による物質量の変化を同時に記述可能なモデル式の提案を行っています。このようなモデルの妥当性と信頼性を高めるために、モデルとなる高速反応を用いた実験的なアプローチも取っています。

研究内容2.機械学習を活用したマイクロ流路内の流動状態解析
どんな反応を取り扱う製造プロセスにおいても、想定外の事態は必ず発生します。そのため、いつ・どこで・どんな問題が起きているのかを瞬時に知るための「モニタリング」は工学的な観点から非常に重要な意味を持っています。一方で、フロープロセスにおいて流れている流体の状態を計測する従来の「インライン測定法」は、正確な設計と膨大なコストが必要なことから、プロセスへの導入が容易ではありません。
我々は、安価に測定可能な測定データから必要なデータを推測する「ソフトセンサ」の考え方に基づき、流れている流体の状態を安価かつ正確に測定する手法の開発を行っています。この際に、人工知能(AI)に時系列データの解釈をさせることで、人間の感覚では捉えられないわずかな「ゆらぎ」も逃さずに、流動状態の予測に活用します。