faculty/ 1月 10, 2024/ staff

准教授 渡部綾 Ryo Watanabe
静岡大学 浜松キャンパス
(教員室)工学部3号館233号室
(実験室)工学部3号館233号室
Tel & Fax: 053-478-1172
E-mail: watanabe.ryo[at]shizuoka.ac.jp
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研究キーワード
触媒反応 / 反応工学 / レドックス / 格子硫黄 / 硫化物 / 硫化水素 / 硫黄シャトル / NZE

研究内容
気相S種を活用する触媒反応プロセス群の開拓
火山や温泉から漂うにおいの主成分は、硫黄と水素の化合物である硫化水素です。硫化水素は高濃度になると人体に害を及ぼす危険な物質ですが、私たちはこれを化学反応で有効活用する研究を進めています。たとえば、鉄と硫黄からなる硫化物(大涌谷の“黒たまご”の黒色成分など)を利用して、アルカンからオレフィン(ポリマーの原料)と硫化水素を発生させることができます。この反応では、触媒から硫黄が徐々に失われ、それによって反応性が低下しますが、再び硫化水素と触媒を反応させることで、失われた硫黄が補われ、触媒の活性が回復することがわかりました。このプロセスをレドックスサイクルと呼び、化学的に制御することで、連続的にオレフィンを生成できることが明らかにされています。将来的には、硫化水素の特異な性質(“ラジカル”に変換されやすい特性)を活かし、新しい反応に挑戦する予定です。