世界のスポーツ界において「スポーツ・インテグリティ(Integrity of Sports:スポーツにおける誠実さ」の確立が最重要課題となっています。

スポーツには社会に希望や勇気や活力を与える大きな力が認められますが、その前提となるのは競技界及び競技者が高い倫理観と行動基準を備えていることにあります(日本スポーツ振興センター、2014)。

近年、スポーツの根幹を揺るがす不祥事が相次ぎ(ドーピング、賭博行為、暴力、ハラスメント、競技団体のガバナンス欠如等)、関係団体にあってはそれぞれのスポーツ文化に即した制度的基盤の創出と倫理教育プログラムの開発が急がれているところです。藤井研究室では道徳教育及び研究倫理の研究成果を基盤として、学校や研修の場で活用できるスポーツ倫理の教材開発・提供を進めています。

関連サイト:「スポーツ倫理教育」静岡大学現代教育研究所

藤井研究室が開発を進める「アスリート道徳」とは?

スポーツにおける道徳的葛藤(モラルジレンマ)を主たる題材として、子供同士が対話を通じて、正しい行為や望ましい行為について考えるための教育手法。人間は弱い存在であるという前提に立ち、単にフェアプレーの大切さを教え込むような教育をするのではなく、アスリートもさまざまな葛藤を抱えているという現実を踏まえて授業を展開するのが特徴。2020年開催の東京五輪を前に、市民教育の一環としても学校の道徳授業などでの活用が期待されている。

共同通信社:「明日のデザイン」藤井基貴へのインタビュー記事より。

関連記事:「『良い』選手、何が必要?児童にアスリート道徳授業」(2018年5月24日静岡新聞朝刊)