広い視野の画像を作成する場合、高倍率で作成すると数百枚の画像を張り付ける必要が出るため、ものすごい時間がかかります。また、画像容量も大きくなります。
一方低倍率でとると、中心と縁の輝度の差が大きくなったり、空間分解能が悪くなったりします。
ここでは広い視野(岩石薄片程度)の画像に対して、どれくらいの条件でモンタージュすると、どれくらいの画像になるのかを紹介します。
これを参考にお好みの条件を模索してください。
(観察試料は花崗岩薄片です)
WD50mm 15倍 スキャンスピード0.15秒 積算2回 画像の重なり0%(重なりなし)
コントラスト値3000 モンタージュにかかった時間 約3分
コメント 3分で全体像が取れますがZを50mmまで下げる時間が必要なため、WD10mmぐらいで観察するときは不便かもしれません。
WD50mm 15倍 スキャンスピード20秒 積算1回 画像の重なり10%
コントラスト値3000 モンタージュにかかった時間 約15分
コメント よく見ると中心と縁の輝度の差がわかるので20倍ぐらいのほうがいいかもしれませんが、15分で「全体を把握する」、「発表などに利用するに十分」な画像が取れていると思います。
WD35mm 20倍 スキャンスピード0.15秒 積算2回 画像の重なり0%
コントラスト値3000 モンタージュにかかった時間 約4分
コメント WD50mmの時と同じく短時間で全体像が取れますがZを35mmまで下げる時間が必要です。また、輝度ムラが見えます。
WD35mm 25倍 スキャンスピード20秒 積算1回 画像の重なり10%
コントラスト値3000 モンタージュにかかった時間 約40分コメント きれいに取れていますが輝度ムラが見えます。倍率を30にしたほうがよいでしょう(その時にかかる時間は約52分)
WD20mm 30倍 スキャンスピード0.15秒 積算2回 画像の重なり0%
コントラスト値2500 モンタージュにかかった時間 約10分
コメント WDが小さいときは倍率をもっと大きくしないと輝度ムラがなくなりません。10分程度時間がかかりますし、全体を簡単にとるならばWD35mmのほうが良いかも。
WD20mm 50倍 スキャンスピード20秒 積算1回 画像の重なり10%
コントラスト値2500 モンタージュにかかった時間 約2時間20分
コメント 輝度のムラがなく取れていますが2時間20分かかっています。WD35、倍率30の条件でもよいと思いますが、とくにこだわるときはこのくらいの条件でもいいのかもしれません。
WD15mm 50倍 スキャンスピード0.15秒 積算2回 画像の重なり0%
コントラスト値2500 モンタージュにかかった時間 約12分
(時間の都合で半分の範囲のみ撮影)
コメント 半分の領域で約12分なので全体だと約24分かかります。全体を簡単にとるならWD35mmのほうがよいでしょう。
WD15mm 70倍 スキャンスピード20秒 積算1回 画像の重なり0%
コントラスト値2500 モンタージュにかかった時間 約1時間30分
(時間の都合で半分の範囲のみ撮影)
コメント 70倍では輝度ムラが見えるため、100倍ぐらいで撮影したほうがよいでしょう。その場合はとんでもなく時間がかかると思うので、WD20mmや35mmで撮影したほうが無難かと思います