Astimex MINM25-53 に含まれているAlbite(NaAlSi3O8)を用い,下記の条件で検証します
分析条件
使用する装置名 JEOL JXA-iSP100
加速電圧 15kV
照射電流 10nA
照射時間 60秒
試料の化学組成(wt%) O48.76, Na8.60, Al10.34, Si32.03, K0.18, Ca0.09
ビーム径 0-10 mm
フォーカス位置 WD11.1-10.5mm (光学系のピントが合う時のWDは約11.1mm)
※ 使用した装置の場合、倍率1000倍の時に操作パネルのフォーカスつまみを一周させると、WDが0.1mm変化します
(倍率によりWDの変化量は異なります。2000倍の時は約0.066mmぐらいでした)
※ 細かなWDの値は写真を保存した時に一緒に保存されるテキストファイルでわかります
下の図1はデフォーカスした時の写真です
図1 左上はピントを合わせた時の写真で右上、左下、右下はそれぞれ0.2mm、0.3mm、0.4mmデフォーカスした時の写真(1000倍)
0.2、0.3、0.4mmデフォーカスするときは、ピントを合わせた後に1000倍にし、操作パネルのフォーカスつまみを時計回りに二、三、四周させた。
Akbite中のNaの特性X線強度の時間変化
下の図2にビーム径を変化させたときの変化及びデフォーカスした時の変化を示します。
Naの特性X線は、2chのTAPが129.494mm、4chのTAPHが129.374の時に最も強く検出できます。
(TAPHのほうが分光結晶や検出器が近くにあるため高感度です。一方TAPは高分解能です)
図2 ビーム径及びWDを変化させた時Naの特性X線強度変化(縦軸は強度、横軸は時間)
強度は、開始5秒間の平均強度を1とした時の強度を示す。また、各データ点は前後5秒で平滑化処理したものである
図中のSpotはビーム径0mmでピントを合わせて分析した結果を示す。またA3, A5, A10はビーム径を3, 5, 10mmで、D0.1-D0.5はWDをピント位置から0.1-0.5mm変化させて分析した結果を示す
Spotの時、1分後には特性X線強度は約15%減少しています
したがって定量分析および標準試料測定を行う際はSpotで分析しないほうが良いでしょう
A3-A10とD0.1-0.5は、顕著な特性X線強度の変化は見られないように思います