観察する資料
観察や分析する試料
比叡花崗岩により接触変成作用を受けた菫青石ホルンフェルス中の菫青石三連双晶
試料の採取地
大文字山(如意ヶ岳、京都-滋賀)
※ 観察した試料(岩石薄片)は、京都大学理学研究科の高谷真樹さんよりお借りしました。
図1は観察する薄片の偏光顕微鏡写真です。
図1 菫青石三連双晶の偏光顕微鏡写真(クロスニコル+鋭敏色検板(530nm))
菫青石三連双晶のEBSDパターン(見分けるのが難しい3つのパターン)
図2は、それぞれの花弁のEBSDパターンです。
(パターンを取りたい点がSEM像の中心に来るようにして、EBSDパターンをとっています)
図2 菫青石三連双晶のそれぞれの成長分域のEBSDパターン
偏光顕微鏡では結晶方位の違いがわかるのですが、はっきり言ってEBSDパターンに違いを見出すことができません。
菫青石の方位解析(見分けるのが難しい菫青石の3方位)
図2の赤枠のEBSDパターンからは、3つの方位が候補として挙げられます。
(場合によっては、候補が1つしか上がらないこともある。これも不思議です)
それを示したのが図3になります。
図3 菫青石のEBSDパターンの方位解析結果
上図は菫青石の結晶方位を示したもので赤緑の矢印はa軸、b軸を示す。下図の黄色の帯は図2のEBSDパターンで回折バンドとして認識された帯である。また赤色の線は、上図の方位の時に予想される回折バンドである。
図3の赤い回折バンドを比較してもやはり違いがよくわかりません。
方位AのMADの値が低いため、オートで方位を付ける場合は方位Aが選択されます。
この結果は光学顕微鏡の結果と一致しますが、パターンをまじまじと見ても3方位のMAD値の違いはよく分かりません。