クラス図の自然言語化に基づくレビュー支援に関する研究

システム開発の場ではシステムの内部構造の把握と開発者間での設計共有の重要性が高まっており,UML等の設計記述言語でモデルを記述することや,記述されたモデルを読むことも増えています.クラス図を用いた設計の学習方法のひとつとして,与えられた要求仕様に基づいて考案したモデルをクラス図で記述し,それを相互レビューすることで学習する方法があります.しかし,初学者にとってはクラス図で記述されたモデルを読み取り,仕様と照らし合わせて誤りや設計漏れを発見することは簡単ではありません.また,クラス設計は解がひとつに定まらないため,互いの指摘の妥当性を初学者同士で判断することも難しい場合があります.また,初学者がこうしたい思っている設計が,そのとおりにクラス図に表現できているとは限りません.そこで,この研究では,学習者が記述したクラス図を自然言語に置き換えてフィードバックすることで,学習者の頭の中にある「こういう風な設計にしたい」という考えと,実際にクラス図に表現された内容,要求仕様で求められている事柄を自然言語で突き合わせて比較し,自己レビューできる仕組みを提供しようとしています.

References

  • Y. Noguchi, et al. (2021.3). What is the Meaning of My Model? – Self-Review Support Environment based on Natural Language Translation from Learners’ Software Structural Models, In Proceedings of the 52nd ACM Technical Symposium on Computer Science Education (SIGCSE ‘21) ACM, New York, NY, USA. 7 pages. https://doi.org/10.1145/3408877.3432387
  • 西畑 瞬, 他 (2019.09) UML クラス図の自然言語化に基づくクラス図自己レビュー支援環境の構築, 第44回教育システム情報学会全国大会予稿集, pp.37-38. (静岡大学)