PAST RESEARCH

対話文脈を利用した意味理解に関する研究

日常,私たちが対話を行う時には,その場の状況や特定の文脈を前提としてやりとりがおこなわれます.伝えたい内容の全てを毎回ことばにしなくても,お互いの発言を理解することができますし,逆に同じ表現を使った場合でも,その状況や話の流れによっては異なる情報が伝わることもあります.これは言語の効率性と呼ばれ,自然言語表現が曖昧性を含む原因となっています.
自然言語文がこのような性質をもつので,計算機が文を正しく解析するためには構文解析や意味解析の際に「文脈」や「知識」を参照することが必要です.例えば,「大型車で行くけど大丈夫ですか」のような文に対して,「大丈夫ですか」が駐車場を心配しているのか,あるいは道路状況を心配しているのかなどは,それ以前の話の流れを考慮しなければ判断がつきません.そこで,このような対話を計算機がおこなえるようになるためには,文脈や知識を参照しながら行う構文意味解析の実現が重要になります.私たちは,構文意味解析の際に先行する文脈や知識の意味情報を活用できる枠組みを研究・開発しています.

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対話例:

U: 明日、浜松に出張します。
S: 車で行かれますか?
U: 新幹線で。
S: かしこまりました。ご用件は?
U: 静大で打ち合わせがあります。あと、お昼はうなぎにしたいね。S: 浜松駅前のうな浜軒がおすすめです。
U: それじゃ、そこにしようかな。だいたいいくら?
S: うな重上で2,800円です。他にご要望はありますか?
U: ホテルは安いところでいいです。
S: 浜松駅前1泊4,800円のホテル浜名はいかがですか。
U: ありがとう。翌日は名古屋で会議に参加してから、福岡でも打ち合わせがあります。このホテルも探してくれる?
S: わかりました。福岡駅前1泊5,200円の福々亭ではいかがですか。
U: ありがとう。帰りは飛行機で。
S: 1020発、新福岡空港発羽田着はいかがでしょう?

  • Y. Noguchi, et al.: “Event Sequence Model for Semantic Analysis of Time and Location in Dialogue System”, The 27th Pacific Asia Conference on Language, Information, and Computation, pp.339-348, 2013.11. (Taipei)
  • Y. Noguchi, et al.: “Generating a Variety of Expressions from Visual Information and User-Designated Viewpoints”, The 5th IEEE International Conference on Awareness Science and Technology & Ubi-Media Computing (iCAST 2013 & UMEDIA 2013) , iCAST2013 Special Session: Intuitive Human-System Interaction, pp.322-327, 2013.10. (Aizu-Wakamatsu)

PBLによるシステム設計・開発教育に関する研究

教育プログラムの評価は非常に重要な問題です.Kirkpatrick & Kirkpatrick は教育プログラムの評価は4レベルに分けて考える必要があると論じています.企業技術者向けの教育プログラムにおいては第3レベル(行動変容)の評価が非常に重要で,教育プログラムの利害関係者(受講生を送り込む企業経営者,受講生上司,教育プログラムに資金・人材・ノウハウ等を提供する諸機関(地域自治体,教育機関他))はこのレベルに最も大きな関心を持っています.
しかし実際には,ほとんどの企業技術者を対象とした教育プログラムが第2レベルまでの評価の実施に留まっており,特に長期間に渡る教育プログラムにおける第3レベルの評価は十分に行われてはいません.我々は,企業技術者向け研修を対象とした,”定性的評価手法SCATを用いた受講生上司へのアンケート分析のフレームワーク”を提案し,それを2泊3日 x 8回 (計24日間) の教育プログラムに適用しています.

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  • 野口靖浩, 松澤芳昭, 島聰司, 塩見彰睦 (2012.05). 組込み人材育成研修後の上司による「行動変容」評価の実践とSCATによる分析, 工学教育, Vol.60, No.3, pp.86-91.
  • 野口靖浩, 松澤芳昭, 森孝夫, 島聰司, 塩見彰睦 (2012.07) 合宿とPBLによる組込みシステムアーキテクト養成プログラムの設計と評価, 日本教育工学会論文誌, Vol.36, No.1, pp.21-33.

カストリ線の自動挿入アルゴリズムの検討

カッティングマシンはパソコンでデザインした文字やイラストの形にカッティングシートや クラフト紙を切るための装置で、業務用の大型のマシンからホビー向 けの小型マシンまで発売されています。カッティングマシンでカットしたシートには、まだ余白(カス)部分が残っているため、余白部分を剥離する必要があり ます。本課題では、シートの余白(カス)部分を剥離する作業の中で、シールの剥離効率を向上させるために剥離補助的なカット線を自動挿入するアルゴリズム を開発しました。

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FAコントローラ及びプログラミング環境の開発

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2足歩行ロボット用モーション作成インタフェースの開発

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