第二言語学習の手法のひとつとして注目されているディクトグロスを支援するアプリケーションの開発を行なっています.ディクトグロスとは「あるまとまりの ある文章を聞き、書き取った内容語のメモを頼りにペアまたはグループで元の文章を復元していく活動のこと」です.複数人の学習者が同じ課題文を聞き,メモ を見ながら互いに不足部分を補いながら元の文章を復元することにより,コミュニケーション能力や言語形式を使う力,リスニング力などを同時に鍛えることが できるとされています.このアプリケーションは,ディクトグロスのアクティビティの中で学習者(アプリケーションのユーザ)と”ペアとなる学習者の役割” と”教師の役割”を担当します.アプリケーションが”ペアとなる学習者の役割”と”教師の役割”することで,学習者(アプリケーションのユーザ)は,ディ クトグロスを自習にも活用することができるようになります.また,このアプリケーションを用いたディクトグロスのアクティビティの中で,ペアとなる学習者 及び教師がFocus on Form (FonF)という学習指導法を意識したコミュニケーションを行うことで,学習者に形式への注意を向けさせ,言語形式を正確に使う力を身につけながら,リ スニング力やコミュニケーション能力を強化することを目標としています.
References
- S. Kogure, et al. (2018), Application of Speech Recognition in a Japanese Dictogloss System, Proceedings of the 26th International Conference on Computers in Education, pp.292-297
- M. Kondo, et al.: “Development of a Dictogloss System Oriented for Focus on Form”, Proceedings of the 20th International Conference on Computers in Education, pp.1-8, 2012.12. (Special Mention Awards (for non-student papers) in ICCE 2012)