当研究室について

精子は、卵とともに次世代に遺伝情報を伝達する働きをもつ唯一の細胞で、受精するための特別な形態・特徴を持っています。しかし、その特性がどのような遺伝子の働きで生じるのかはよくわかっていません。また、現在6組に1組以上のカップルが不妊に悩んでおり、またその約半数は男性側に起因していますが、男性不妊の原因遺伝子についてはあまり解明されていません。そこで本研究室では、マウスをモデルに精子分化過程で特異的に発現する新規遺伝子を探索・同定するとともに、その分子的・生理的機能を明らかにする研究を行っています。中でも細胞の基本的機能を担うとともに創薬の標的因子として有望な膜タンパク質をコードする遺伝子に着目して研究しています。このような研究を通し、哺乳類における精子形成の分子メカニズムを理解するとともに、得られた知見をヒトにおける不妊の原因解明や治療、家畜の効率的な生産、有害獣の繁殖制御などに応用したいと考えています。