Mizanurさんたちの「細胞透過ペプチド・トランスポータン10の単一ベシクル内腔への侵入に対する膜電位の役割」の論文が、アメリカ生物物理学会 の Biophys. J. に掲載されました ( Biophys. J. ,118, 57-69 (2020)) [Abstract]。この論文では、細胞透過ペプチド (CPP) の膜透過や単一巨大リポソーム (GUV) の内腔への侵入に対する膜電位の効果を調べる方法を開発しました。単一GUVにかかっている膜電位は、蛍光プローブを用いて共焦点レーザー顕微鏡法 (CLSM) により測定しました。蛍光ラベルしたCPPの単一GUVの内腔への侵入の検出は、我々が開発した単一GUV 法 を用いています。この新しい方法を用いて、蛍光ラベルしたトランスポータン10 (TP10) (CF-TP10) のGUVの膜透過の速度やポア形成なしのCF-TP10の単一GUVの内腔への侵入が膜電位の増加とともに増大することを発見しました。膜電位の増加によりペプチドの膜透過速度の増加が、単一GUVの内腔への侵入速度の増加の主因であると結論しました。