
令和5年4月の安全衛生法令の改正で、屋内作業場等における有機溶剤の取り扱いに関する掲示物の内容及びその周知方法が変更されました。特定化学物質の有害性等の掲示については従来、掲示対象物質はがん原性物質またはその疑いのある「特別管理物質」のみでしたが、全ての特定化学物質に対象が拡大されました。
ポイントとして、改正前は①有機溶剤の人体に及ぼす作用、②取り扱い上の注意事項、③中毒発生時の応急処置でしたが、改正後は①有機溶剤により生ずるおそれのある疾病の種類及びその症状、②取り扱い上の注意事項、③中毒発生時の応急処置、④特定の場所においては、有効な呼吸用保護具を使用すべき旨及び有効な呼吸用保護具の種類となります。

①の特定化学物質により生ずるおそれのある疾病の種類及びその症状は掲示していますが、②取扱い上の注意事項、③有機溶剤による中毒が発生した時の応急措置、④使用すべき保護具、これらの情報に関してはHPにて公開しています。
掲示物にはQRコードがありますので、そこからアクセスして情報を得てください。
以下が、特定化学物質の情報となります。
2. 取扱い上の注意事項
(1) 有機溶剤を入れた容器で使用中でないものには、必ずふたをすること。
(2) 当日の作業に直接必要である量以上の有機溶剤を作業場内に持ち込まないこと。
(3) できるだけ風上で作業を行い、有機溶剤の蒸気の吸入をさけること。
(4) できるだけ有機溶剤等を皮膚等にふれないようにすること。
3. 有機溶剤による中毒が発生した時の応急措置
(1) 中毒の症状がある者を直ちに風通しのよい場所に移し、衛生管理者その他の衛生管理を担当する者に連絡すること。
(2) 中毒の症状がある者を横向きに寝かせ、できるだけ気道を確保した状態で身体の保温に努めること。
(3) 中毒の症状がある者が意識を失っている場合は、消防機関への通報を行うこと。
(4) 中毒の症状がある者の呼吸が止まっている場合や正常でない場合は、速やかに仰向けにして心肺そ生を行うこと。
4. 使用すべき保護具(SDS準拠)
(1) 呼吸器の保護具:適切な呼吸保護具を着用すること
(2) 手の保護具:適切な保護手袋を着用すること
(3) 眼の保護具:適切な眼の保護具を着用すること
(4) 皮膚及び身体の保護具:適切な保護衣を着用すること