Research

 

  • 核融合炉材料中の水素同位体透過における放射線照射効果
    核融合炉内では、中性子やガンマ線といった放射線が大量に発生し、核融合炉を構成する材料は高線量の放射線にさらされます。その特殊な環境の中で、核融合の燃料である水素同位体のふるまいがどのように変化するかについては、これまでほとんど明らかにされていません。このテーマでは、核融合炉を構成する材料である金属やトリチウム透過低減のために設置するセラミックス被覆について、ガンマ線源や加速器などを用いて種々の放射線を照射し、照射中、または照射後の水素同位体透過挙動と材料の微細構造分析を通して、水素同位体透過における放射線照射効果を調べています。

  • 多層構造による高性能、高信頼性の機能性被覆の創製と特性評価
    核融合炉ブランケット用の機能性被覆には、トリチウムの透過低減はもとより、ブランケットで用いる材料との化学共存性や、熱サイクル耐性、放射線耐性など、多くの役割が求められます。このテーマでは、被覆を多層化することによってさまざまな機能を各層に分配することで、より性能と信頼性の高い機能性被覆の創製を目指しています。同時に、優れた機能が発現するメカニズムを調べています。

  • トリチウム透過低減被覆のブランケット中化学挙動
    高熱効率の概念として研究が進められている液体ブランケットシステムでは、高温融体による配管の腐食が特に重要な検討課題になっています。配管にトリチウム透過低減被覆に施した場合でも、高温の液体ブランケット材料による腐食や浸食が考えられていますが、その挙動はほとんど明らかにされていません。さらに近年では、比較的反応性が低いと考えられていた固体ブランケットシステムにおいても、腐食が起こることがわかってきました。このテーマでは、気相法や液相法で成膜したセラミックス被覆に対して液体金属や溶融塩との化学挙動を調べることで、それぞれの組み合わせでの反応性や腐食メカニズムについて調べています。さらに、放射線で損傷を与えたセラミックス被覆についても同様に検討することで、照射と腐食の相乗効果を明らかにすることが期待できます。

  • 実機環境における核融合炉構造材料中の水素同位体透過挙動と表面制御
    ITER以降の発電性能や経済性を実証する原型炉では、トリチウムの透過漏洩が炉の設計に大きな影響を与えると考えられています。このテーマでは、実際の核融合炉運転条件下で構造材料表面がどのように変化し、それにともないトリチウムの透過挙動がどのように変化するかを予測するデータベースの構築を目指しています。また、表面状態を制御することにより、トリチウムの透過を十分に低減できるか調べ、将来の核融合炉の設計に役立てます。