【第148回】巣ごもり生活の雑感

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投稿者: 志田原 巧(昭和49年 理学部物理学科地学履修コース卒)


仕事と趣味の運動の両方で、頭を動かすことと体を動かすことのバランスをとりながら暮らしてきた通常の日々が、1年前より急に変わってしまった。周期的に関東に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置宣言が出され、そのたびに在宅勤務中心の日々が続いている。ここ数年は非常勤勤務で、茨城県の自宅から東京本社に出かけていくのは週3日ほどであったが、現在は、時々、出勤しているだけの状況だ。

一昨年は、地熱発電開発の地質調査のため山岳地域の坑井掘削・調査現場に行き、計50日ほど山の中で仕事をし、ホテルと現場の行き来だけの日々を過ごした。東京本社での会社勤めよりは、その方がずっとましな生活だった。今は、現場調査は最低限度の要員で実施しているので、私は補欠だ。

在宅勤務中心ということは、社内の担当者や社外の関係者との議論の場は、メール、電話、Web会議ということになる。これらによる意思の疎通は、それはそれで味わい深いものがあるのだが、当たり前のことではあるが面と向かっての会話に勝るものはない。このご時世でなければ味わえない経験であろうと、感慨にふけっている。ただしWeb会議は一仕事で、ミーティングに参加することそのものもそうだが、リンクはできたものの顔が映らなかったりして、大わらわだ。70歳の人間のすることではないと思いながらも、一生懸命対応している。

しかしこれでは頭を動かすのみとなってしまう。週1回は、一時は休みとなっていた空手の道場に仕事に関係ない仲間と集まって、マスクをつけてではあるが稽古をし、自宅でも空いた時間に稽古をしている。巣籠りで注意すべきは、不健康にならないことである。

結局、案外いい生活かなと思いなおした。