研究内容・成果
シリコン単電子冷却デバイスの創製
【研究目的】 単電子ポンプ動作を利用して,シリコン基板上に超低消費電力の単電子冷却デバイスを作製する.
シリコン単電子ポンプ冷却デバイス動作の理論的解析
単電子箱と単電子ポンプを組み合わせた構造を持つ,新しい単電子冷却デバイスを提案した(図1).
図1:シリコン単電子ポンプ冷却デバイスの構造.
MとSは,それぞれ金属および真性半導体のドットを表す.
制御電圧Vsを印加しながら単電子ポンプ動作をさせて,半導体ドット(図中のドットS)の伝導帯から電子を引き抜き,価電子帯に電子を注入する.これにより,半導体ドット中の電子温度を下げる.この単電子ポンプ冷却デバイスの安定状態図を計算したところ,歪んだハチの巣形状を持つことを見出した(図2).
図2:電子抽出条件(Vs>0V)における単電子ポンプ
冷却デバイスの安定状態図.
そのデバイス動作をモンテカルロシミュレーションにより調べ,電子1個ずつの抽出・注入が実現できることを示した(図3).
図3:単電子抽出・注入動作の成功確率と制御電圧|Vs|の関係.
図1:シリコン単電子ポンプ冷却デバイスの構造.
MとSは,それぞれ金属および真性半導体のドットを表す.
図2:電子抽出条件(Vs>0V)における単電子ポンプ冷却デバイスの安定状態図.
図3:単電子抽出・注入動作の成功確率と制御電圧|Vs|の関係.
【関連論文】
IEICE Trans. Electron., E95-C (2012), 924.
Jpn. J. Appl. Phys., 50 (2011) 06GF20.
Adv. Mater. Res., 222 (2011) 366.
Jpn. J. Appl. Phys., 50 (2011) 06GF20.
Adv. Mater. Res., 222 (2011) 366.