情報学部周辺の植物(冬2)

正門前の大事な植物を忘れていたので、もう少し書き足すことにします。

1 ナニワイバラ
正門前にある植物です。静岡大学浜松キャンパスでは「関口バラ」という愛称で呼ばれることもあります。このナニワイバラは、本学の前身である旧制浜松高等工業学校の初代校長の関口壮吉先生ゆかりの白バラです。関口先生は「教育は美しい環境で」との考えをお持ちであったとともに、学校と地域の間に塀は作らないとの思いもお持ちでした。そのため、関口先生ご自身で植えられて白バラを生垣とされました。
正門でこの植物がみなさんをお迎えしています。

ナニワイバラの実は赤く、冬まで枝に残ります。ヒヨドリなどの食料となり、野生生物などの命をつなぐ役割を果たします。

2 キョウチクトウ(セイヨウキョウチクトウ)
噴水から情報学部2号館に行く途中にあります。街中で見かける一般的な「キョウチクトウ」はインド原産の系統を指すことが多く、香りが強ければその可能性が高いとのことですが、香りの有無について意識したことはありません。植物学的には非常に近縁であるため、見た目だけで明確に区別することは専門家でも難しいとのことです。

3 ホテイチク(?)
浜松キャンパス東北の空き地に生えています。校庭に竹が生えている大学は少ないのではないでしょうか。ホテイチクにしては背が高いようなので、品種については要検討。

4 ミミズバイ
常緑植物で、安定して育ちます。 晩秋にやや先が細くなった楕円形の黒い果実を枝いっぱいにつけ、メジロやヒヨドリなどの野鳥がたくさん集まってきます。
ミミズバイのようなハイノキ科の植物は、葉にアルミニウムを多く蓄える性質があるため、葉を燃やした灰(灰汁)は、茜(あかね)や紫草(むらさき)で布を染める際の「媒染剤」として欠かせないものとされました。 「植物が土壌中の成分を蓄え、それが染め物という化学反応に利用される」というプロセスは、化学科を擁する浜松キャンパスに適していると言えるかもしれません。

5 アカマツ
日本の二次林(いわゆる里山)を代表する在来樹です。造園樹・防風林・景観木・山林樹として広く利用され、痩せ地でも育ち、日本的景観を象徴する松でもあります。バイク駐輪場そばにあり、人目につくことはありませんが、樹形の美しさは注目に値します。下から見た姿は立派です。

6 ヤマモモ
丈夫な常緑樹で、食べられる果樹をつけ、在来の里山樹木でもあります。葉が密で、日陰を作ります。鮮紅色の丸い実が多数つき、これは常緑樹としては珍しく、視覚的インパクトが強い植物です。昆虫や鳥も集まってきます。ジャムにしても美味しいですが、なかなか加工は面倒ですね。

7 サカキ
サカキはモッコク科(昔はツバキ科とされた)の常緑樹で、光沢のある美しい葉が特徴です。落葉が少なく、整然として葉をつけ、校庭に美しく育ちます。サカキは日陰でも育つ「陰樹」としての性質を持っています。校舎の北側や大きな樹木の下など、光が当たりにくい場所でも健やかに育ちます。

8 ネズミモチ
地味だが初夏に小さな花が咲きます。秋から冬にかけて実をつけ、鳥が集まってくる植物です。生態系に貢献がある植物と言えます。冬でも葉が落ちず、見た目も校庭にふさわしい植物です。

9 オリーブ
情報学部の1号館と2号館の間に植えてあります。果実が実ったところを見たことはないですが、オリーブは果実利用だけでなく、耐久性と象徴性を兼ね備えた公共植栽向きの常緑樹として世界的に使われています。気長に待ちましょう。

情報学部周辺の植物(冬1)

情報学部周辺の植物を見て回りましょう。とはいいつつ、植物に詳しいわけではないので、品種名を間違えていた場合は後日訂正します。

1 ロサ センパヴィエンス(?)(正門附近)
高柳健次郎像のそばにあります。植物品種名同定アプリでは「ロサ センパヴィエンス」と出ました。単純に言えば、「白バラ」です。バラ属の中では珍しい常緑性つるバラとされます。

2 ソテツ(蘇鉄)(正門附近)
正門のロータリーのところにあります。堂々とした大きさです。南国の印象があります。日本三大ソテツとして、能満寺(静岡県榛原郡吉田町)、龍華寺(静岡市清水区)、妙国寺(大阪)の巨大な植栽が有名らしい。

3 サツキ
初夏になるとキャンパスを彩ってくれます。冬でも葉が残り、花の時期以外も役割があるのが実用的です。

4 五葉松
正門から入って右手にあります。静岡大学電子工学研究所創立三十周年記念植樹の木です。

5 椿
キャンパスのそこかしこにありますが、グラウンドそばの椿が美しい。2号館の西側の出口の正面にもあります。
椿は古代から庭園・寺社・茶の湯・文学・工芸に深く関わってきました。日本文化と結びついた象徴的植物(文化植物)と言えます。他の花木が休眠する季節に開花するので、景色が寂しい冬の主役という存在です。多くの花は春に咲きますが、椿は真冬から早春に咲くので、日本文化の中で、「寒さに耐えて咲く」「静寂の中で咲く」「控えめだが力強い」というイメージを生み、「忍耐・気品・生命力」の象徴とされました。

6 クスノキ
噴水そばにあります。立派な樹勢です。奥に情報学部2号館が見えます。非常に丈夫で長生きし、日陰をつくり、香りと防虫性まで持つ万能大木と評されます。独特の爽やかな香りがあり、防虫・防腐効果もあって、昔は防虫剤・薬用・香料に利用されました。木材や周囲が虫害を受けにくいという、実用的な化学特性を持つ珍しい樹木です。

7 ウバメガシ
常緑広葉樹で、図書館そばにあります。「紀州備長炭」の原料として有名だそうです。一年中葉があるので、冬も景観が寂しくならない植物です。葉が密なので、視線遮断性が高く、図書館に向いているかもしれません。

8 ラカンマキ
噴水から南門に行く途中にあります。ウバメガシが「機能重視の防災樹」だとすると、ラカンマキは「景観と実用を両立した万能樹」と言えるかもしれません。植えておけば環境に左右されにくく、寺院・武家屋敷などで多用される植物らしいです。

9 ギンモクセイ
グラウンドそばにあります。香りが良く、丈夫で、管理が楽で、景観を乱さない優等生の常緑花木と評されます。「花+目隠し+常緑」を同時に満たす貴重な樹種と言えます。

10 クロガネモチ
西門附近にあります。冬に赤い実で景観を作れるタフな常緑樹です。葉が落ちないのでコントラストが美しい木です。晩秋から冬にかけて多数の鮮紅色の実をつけ、野鳥にも人気です。名前の「モチ」=「持ち(長持ち)」に通じる縁起木でもあります。

11 メタセコイア
情報学部から西に行くとあります。そばの建物を超えています。世界各地の公園や並木などに植えられています。メタセコイア属は化石植物とされましたが、よく似た植物が中国で生き残っていることが発見されたため、生きている化石とも呼ばれています。

12 イタリアカサマツ(?)
北門そばにあります。樹勢が面白い。強くて乾燥に耐え、遠目で一瞬で分かる個性的な景観樹と言えます。大きな樹冠で広い木陰を作り、夏の遮熱効果が高い木です。種子は食用(松の実・ピニョン)になり、イタリア料理・中華料理・菓子に利用されるそうです。

浜松キャンパスにはほかにもたくさんの植物があります。それは後日、記事にします。