Naを含んだ試料と分析条件の考察

Naを含んだ試料と分析条件の考察

斜長石などに含まれるNa+などのアルカリ元素は、加速電圧や照射電流量が高いと時間とともに試料から出てくる特性X線強度が弱くなることがあります。
したがってNa+などのアルカリ元素を含む試料に対して定量的な分析を行う際には注意が必要です。

このページでは本学のSEM-EPMA(JEOL JXA-iSP100)を用いたときに、どのような条件であればNa+の特性X線強度が時間とともに弱くならないのかを検証します。

ただし加速電圧値に応じて検出可能な元素が変化するため、加速電圧は15kVとします。
また波長分散型の検出器を用いる際はある程度の照射電流量が必要となるため、照射電流量は10nAとします。
加速電圧15kV照射電流10nAとし、分析のビーム径やデフォーカス値を変化させて分析条件の検証をします。

Albiteを用いた検証
・ 「ビーム径3mm以上」 または 「0.1mm以上のデフォーカス」 で特性X線強度は1分程度変化しない

Obsidianを用いた検証
・ 「ビーム径20mm」あるいは「0.7mmのデフォーカス」でも特性X線強度は時間とともに減少
(Obsidianなどのガラスを分析する際は、ビーム径が30mm程度必要?)
・ ビーム径、WDの変化にかかわらず、SEIのダメージ範囲とNaの特性X線減少率が対応
(照射範囲をイメージしつつ分析できるため、定量分析は「デフォーカスせずに適切なビーム径条件を決定して行う」のが良いか?)
・ Kの特性X線強度はNaほどは減少しない

 

定量分析の分析条件
標準試料測定は、「albiteが分析できる程度の条件」で標準試料を測定したいと思います
管理人(大井)としては、
15kV 10nA ビーム径5mm
という条件で標準試料を登録いたします

※申し訳ありませんが火山ガラスなどを測定したい方は、「obsidianを用いた検証」を参考に分析条件を検討し、標準試料を測定してください

 

上記条件下における他の試料のNaの特性X線強度の時間変化
・ 分析試料によっては、15kV10nAビーム径5mmの条件でもNaの特性X線強度が減少する