フィラメントの交換

1 フィラメント断線の確認
1-① 「観察」onで「電子銃」ウィンドウ「フィラメント」タブの過熱コードを130~140にする
1-② エミッション電流値が0付近であることを確認する

2 フィラメントの取り外し
2-① HV(観察)をoffにする
2-①-I(説明書より)メインパネルを開き、HTボタンの消灯を確認してからHTボタンをoffにする
2-①-II (説明書より)PC-EPMAのメニューバーの「保守」-「分光器構成」を選択し、「分光器構成情報」ウィンドウの「すべてのPHA高圧」欄でoffをクリックし、WDS検出器の高圧印加を停止する。
2-② GUNが冷えるまで30分以上待つ
2-③ 本体下のメインパネルを開き、「Gun VENT」ボタン(右下)を押す
※ この時、HTはエラー表示になる
※ 「Gun VENT」は最初点滅し、時間を置くと点灯する
※ 講習会の時は2-②→2-③の順であったが、説明書では2-③→2-②の順
2-④ 電子銃室上部を傾けて開き、電子銃室下部の開口部をA4の紙などで覆う(アルミ箔推奨であるが、207室はアルミ箔厳禁)
2-⑤ ウェーネルト取外工具を用い、ウェーネルトをまっすぐに引っ張って引き抜く
2-⑥ フィラメント固定ネジを六角レンチ(1.5mm)で緩め、フィラメントをウェーネルトから取り出す。

3 ウェーネルトの洗浄(説明書より)
※ 2-④の電子銃室下部の中央の「陽極」の汚れを確認し、汚れが目立つときは「陽極」を取り外してウェーネルト同様に洗浄する
3-① 金属研磨剤を少量つけた綿棒、キムワイプなどでウェーネルト先端の内側/外側を磨く
※ ネジに付着した研磨剤や綿屑の除去は困難なので、ネジは磨かなくてもよい
3-② 付着している研磨剤を洗浄液(エタノール)を浸した綿棒、キムワイプなどでふき取る
3-③ ビーカーなどにウェーネルトを入れて洗浄液(エタノール)に浸して超音波洗浄機で洗浄する
3-④ 洗浄液(エタノール)をふき取り、乾かす

4 フィラメントの取り付け
4-① ウェーネルト、フィラメントに糸くずなどついていないか確認し、取り除く
4-② フィラメントのガイド溝とウェーネルトのガイドピンの向きを合わせながら、フィラメントを垂直に降ろして入れる
※ 溝に軽い力ではめ、まっすぐ遊びが少なくなるように入れる
(強い力をかけると、ゆがんだまま曲がった状態で入り、フィラメントを取り出すのが困難になる)
4-③ フィラメント固定ネジ3本を六角レンチ(1.5mm)で締め、ウェーネルトに固定する
※ フィラメント調整ネジを動かさないようにする
4-④ フィラメントの先端が、ウェーネルトの先端中央の穴の中心であることを確認する
※ 中央にあっていない場合、たいていは4-②でまっすぐでないことが原因と考えられる
4-②でまっすぐなのに中央にあっていない場合は、フィラメント調整ネジで調整する必要がある

4-⑤ ウェーネルト取外工具を用い、ウェーネルトのガイド溝とウェーネルトホルダーのガイドピンを合わせ、ウェーネルトをまっすぐに取り付ける
4-⑥ ウェーネルトや電子銃室上部およびOリング付近の塵などをブロアーで飛ばし、電子銃室を閉める
4-⑦ 「GUN VENT」をoffにし、真空を引く
※ (SEMセンターーメッセージOK)
※ HTがerrorからreadyになるまで待つ(電子銃室の真空を良くするために、およそ30分待つのが良い)
4-⑦ーI (説明書より)メインパネルを開き、HTボタンをonにする
4-⑦ーII (説明書より)PC-EPMAのメニューバーの「保守」-「分光器構成」の「分光器構成情報」ウィンドウの「すべてのPHA高圧」欄でonをクリックする

5 フィラメントの初期調整
5-① 「保守」-「真空排気システム」ウィンドウを開き、PVGの真空が1.0E-3より下回っていることを確認(通常は5.0E-4まで待ちたいが、問題があった場合の時間なども考え、このぐらいとする)
5-② 「保守」-「電子銃」ウィンドウを開き、「交換完了」をクリックする
※ タイマーがリセットされます
※ この時、電子銃タイプがタングステンであることを確認
5-③ 電子銃の軸を合わせる