研究内容概要
青色発光ダイオード(LED)などで用いられる窒化ガリウム(GaN)に代表されるⅢ族窒化物半導体の結晶成長に関する研究を行っています。有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法を用いた結晶成長技術の開発により、新規半導体デバイスを作製しています。
主な研究テーマ
- Ⅲ族窒化物の極性構造を利用した新規光機能デバイスの開発
- BGaNを用いた中性子イメージングセンサーの開発
- BGaN-MOVPE法における反応メカニズムの解析
極性構造を利用した光機能デバイスの開発
ウルツ鉱型結晶構造のⅢ族窒化物はc軸方向に非対称であることから極性を持っており、極性によって化学的安定性や非線形光学定数などが異なります。
これらの特徴を利用して、結晶成長技術によって極性を制御することにより紫外線イメージングセンサーやSHGなどの非線形光学デバイスなどの開発に取り組んでいます。
BGaNを用いた中性子イメージングセンサーの開発
大きな中性子捕獲断面積を持つB原子に着目し、BGaN半導体結晶を作製することで中性子イメージングセンサーの実現を目指しています。高感度なBGaN結晶作製に向けて、高B組成化、厚膜化結晶成長技術の開発を行っています。
BGaN-MOVPE法における反応メカニズムの解析
BGaNは中性子イメージングセンサー、紫外発光素子、パワーデバイスなどへの応用が期待されています。GaNなどの結晶成長技術であるMOVPE法における化学反応メカニズムの解析を行い、高品質BGaN結晶成長技術の開発とBGaNデバイス実現に向けたブレイクスルーを目指しています。
所有装置
- Ⅲ族窒化物用有機金属気相エピタキシー(MOVPE)装置(ULVAC製)
- Ⅲ族窒化物用有機金属気相エピタキシー(MOVPE)装置(大陽日酸製)
- Ⅲ族窒化物用HVPE装置(自作)
- マグネトロンスパッタリング装置(アネルバ)
- 真空蒸着装置(ULVAC)
- 低温フォトルミネッセンス(PL)測定装置
- 分光エリプソメトリー装置(日本分光)
- 原子間力顕微鏡(AFM)
- 放射線マルチチャネルアナライザ(Anseen製)
など