研究室の紹介
原子間力顕微鏡などのプローブを用いた顕微鏡を基盤技術として、超精密計測・超精密加工の研究を行っています。以下では過去に行った研究紹介をします。他にも様々な研究を実施しておりますので、ご興味を持たれた方々は是非ご問い合わせください。
紹介資料 (PDF)
ナノスケール超音波振動切削
走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いた加工技術としてもっともシンプルなものは、原子間力顕微鏡(AFM)のカンチレバープローブを用いて表面を直接スクラッチする方法です。しかしながら,この手法は硬い材料表面では強い荷重で何度も繰り返し引っかく必要があり、また生体試料や高分子材料といった粘弾性を有する材料表面では変形や隆起が生じるなど制御性良く加工することが困難な場合が多いです。我々はAFMプローブや試料表面を微小に高周波振動させながら走査することで硬い表面や粘弾性を有する材料でも高精度に切削可能なナノスケール超音波振動切削法を開発しています。本技術を応用し、半導体マスクリペア装置の開発に関して企業との共同研究実績があります。
ナノピペットを用いたSPMによるナノ加工技術
走査型プローブ顕微鏡技術を用いてナノスケールで位置決め制御されたナノピペットプローブを用いて基板表面上に位置決めし、電気泳動堆積やめっき堆積など様々なナノ材料を堆積する技術を開発しています。ナノピペットとは極細なキャピラリーガラス管であり、先鋭化することで先端には直径 ~100nm程度の開口を有しています。堆積中において、ナノピペットを流れる微弱電流を検出し、その電荷量から堆積量を制御し、再現性の高いパターニング手法を実現しています。