研究室で体験できること

おそらく、”ナノテクノロジー”、”超精密計測・超精密加工”と言われてもピンとこないことが多いと思います。研究内容は、先端が尖った探針を用いた物体表面を計測・加工，ナノ・マイクロサイズの金属3Dプリンタなどの装置と手法を開発しています．確かに小さな領域を相手にしてよくわからないことも多いですが、実際にやることはロボットなどの研究とあまりかわりありません。例えば、装置の構造体の構築（旋盤やフライスなどでの切削加工；研究室内で自由に使用できるCNCフライスは2台あります。CADだけでなくCAMも使用します。）、ソフトウェアの開発（制御プログラムなどをLabVIEWやPython、C++で記述）、電気電子回路の製作（簡単なアナログ増幅回路、PID制御回路、さらに高度なものも；回路基板加工機もあります。FPGAも使います。）などを主に行います。その他にも、光学系の構築、細胞の培養、成膜やフォトリソグラフィなど半導体プロセス（MEMSプロセス）などを行います。ものづくりが好きな皆さんには適した環境にあるとおもいます。

卒研・大学院での研究では「自分でモノを作りたい」と思っている方々にわれわれの研究は向いていると思います。毎年新規のテーマを立ち上げますので、希望していただければ先輩がある程度完成させたシステムの引継ぎではなく、一から自分で立ち上げる経験をすることができます。また、我々の研究内容は非常に教育にも適していると考えています。というのも、装置を作り上げる過程で構造体設計などの機械・回路などの電気・ソフトウェアなどの情報処理をすべて学んでもらうことができるからです。研究室で使用する大半の計測装置・加工装置は自作ですので、原理を必ず学ぶことになります。原理通りに働くかどうかを自分の手を動かして作り、自分の眼で確かめることができます。ブラックボックス化された高価で綺麗な装置のボタンを押せば、なんだかよくわからないがカッコ良い実験結果が出るといった研究方法は好みません。修得することが沢山あり大変ですが、卒業するときにはあれもこれもできるといったマルチエンジニアになっているのではないかとおもいます。学生の皆様が卒業後に、研究室では良い経験を積んできたのだなと思ってもらえれば幸いです。