依頼講演②:野水基義先生

皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
ここ最近HPの更新作業にはまり(追われ)、一部からは、職業が大学教員からブロガーになったのでは?と言われる世話人②(シンガポール産)です。週末は台風が上陸するという予報が出ていますが、今回のインタビューは台風に負けないくらいの勢いでお届けします。

今回は第50回若ぺの依頼講演②でご講演いただく野水基義先生のインタビューをご紹介させていただきます。

野水基義教授

野水基義先生は、世話人②の京大薬品有機製造学分野の大先輩で、いつも「いろんな意味」で大変お世話になっております。西東京にある東京薬科大学薬学部に在籍し、『細胞接着分子から創薬をめざして』をテーマに、癌などの難治性疾患をターゲットにした創薬や再生医療への応用を目指した研究を幅広く展開されています。

野水先生が主宰される病態生化学教室のラミニンを中心としたペプチド科学も大変興味深いのですが、『病態生化学のポリシー10』は、さらに興味深いです。PIとなって5年目となった世話人②にはとても響くものが多く、みなさんも是非一度ご覧になってください。

野水先生には、世話人②が1回目に担当させていただいた第45回若ぺでご講演いただきましたが、なかなかタイミングが合わず、5年の時を経て(W杯より長い)、今回やっとご講演いただけることになりました。当日のご講演に向けて、野水先生の記憶に残るインタビューをどうぞ。

1)現在、どんな研究をされていますか?その研究との出会いについても教えてください。
「ラミニン活性ペプチドの探索と機能解明、及びそれらを用いた応用研究」
米国NIHに留学中、メディシナルケミストリーの研究室から生物学に興味を持って発生生物学の研究室に移動して、ラミニンに出会い、訳もわからずペプチドを作ったのがその研究のはじまりです。

2)今後どのように展開していきたいですか?
今までに見つけてきたラミニン活性ペプチドを使って、ペプチド−マトリックスなどのバイオマテリアル研究、ペプチド誘導体の創薬研究、ペプチドを使ったDDS研究など幅広い応用研究を行い、「ラミニンワールド」を展開していきたい。

3)あなたが尊敬している科学者を教えてください。またその理由は?
やはり恩師の矢島治明先生(本年5月にご逝去されました)。
大学院生の頃、日々怒られ、還暦を迎えた今でも鮮明に残る数々の格言をたたき込んでいただきました。例えば、「Tがファクターですわ」、「まねしはあかんのですわ」、「スマートボーイはあかんのですわ」などなど。私の心の研究者バイブルです。

4)研究能力の中であなたが最も大切だと思う能力を1つ教えてください。またその理由は?
最も大切だと思う能力は、「発想力」。
研究にはオリジナリティーが最も大事だと思います。そのためには発想でしょう。究極の発想力こそ、研究を飛躍させる最も大事な能力ではないかと思います。

5)若手研究者に特に伝えたいことを教えてください。
自由人であれ」ということでしょうか。自分の発想で科学する、これが研究ではないかと思います。まあ、そこまでになるにはかなりの修行が必要ですが。研究の道を究める修行で重要なのが「旅」と「笑い」でしょう。

ちなみに、私の夢は、いつかラミニンを捕まえることです。

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