遠心血液ポンプ用ワイドギャップ磁気軸受の研究

本研究では,ディスポーザブル式遠心血液ポンプの高耐久化と高性能化のため,回転子を非接触で支持する磁気軸受の適用を検討している.本構造では,回転子を外側から磁気軸受で非接触で浮上させ,内側から磁気カップリングを介してモータで駆動する.着脱遠心ポンプ部のハウジング厚を確保するために,磁気軸受部の固定子と回転子の磁気的なギャップを広く設計する必要があるが,磁気力が大きく低減する恐れがある.さらに,回転による回転子の発熱を抑える必要もあり,磁気回路設計と制御に工夫が必要である.本試作機は,ギャップ比が0.226(半径に対するエアギャップの割合)でも,十分な支持力が発生できるように磁気回路を工夫し,さらにゼロバイアス制御により,回転子の発熱を抑えている.

試作した磁気軸受