ゼブラフィッシュ

学名:Danio rerio

ゼブラフィッシュは脊椎動物の発生機構を研究するモデル動物として近年、脚光を浴びているインド原産の熱帯魚である。名前のとおり縦シマがシマウマを連想させる。熱帯魚店でも時々目にするサカナであり、我々も通常の実験用は熱帯魚店から購入している。大きさはメダカとほぼ同じであり、最近モデル動物としてよく登場するようになったこの2種は小型魚類と総称されている。ゼブラフィッシュは世代時間が短い(3ヶ月程)ことから脊椎動物のショウジョウバエと称されて主に遺伝学的解析に用いられており、サカナを代表するモデル生物としてゲノムプロジェクトも進行中である。これまで卵成熟の研究対象としてはほとんど使われてこなかったが、このサカナは孵化するまでわずか2日間という極めて速いペースで発生が進み、卵成熟もわずか3時間程で終わる(ちなみにメダカは約半日かかる)。また、28.5℃前後で飼育すればいつでも成熟卵が得られ、卵成熟に伴う卵の透明化も顕著である。これらのことから卵成熟の実験に非常に適した材料である。短所は小型魚であることから卵巣中の成熟卵が数百個と少ないことである。このため卵成熟実験は1個体で10試験以下となってしまう(キンギョの項参照)。

 

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