学科長挨拶

生物科学科 学科長 徳元俊伸

生物科学は、20世紀後半にDNAの構造や遺伝情報の仕組みが解明され、急速に発展を遂げ、現在に至っています。また、このような分子レベルでの研究の進展は、遺伝子操作を可能としたため、従来の生物進化の枠を超えた新たな生命観を生み出すとともに、生命倫理上の問題を提起していることも事実です。その一方で、人類の活動は、私たちの住む地球上の生態系を大きく変えつつあります。世界的な森林の減少、温暖化、海洋汚染等が多くの生物種の絶滅を加速させています。このような諸問題を考える時、生命科学の分野に関連した専門職に携わる人材の育成だけでなく、社会との連携も視野に入れた幅広い知識の運用が求められています。このような社会的要請に答えるために、平成18年4月に「生物地球環境科学科」を改組して「生物科学科」が誕生しました。

高度な科学技術立国を目指すわが国にあって、基礎科学は必須のものです。「生物科学科」では、特に、実験・実習・演習を重視したカリキュラムを設けており、知識だけでなく手足を動かして自ら考えて行動できる人材育成に力を注いでいます。静岡は、富士山や南アルプス、駿河湾という自然に恵まれ、落ち着いた環境で生物個体群、生物個体、細胞、生体分子、「生物科学科」を学ぶことができます。21世紀に自分の活躍の場を求めるみなさん、「生物科学科」でたくさんのことを学び、大きく羽ばたいてみませんか。