ニワトリ

分類:脊椎動物門鳥綱キジ目キジ科ニワトリ属
学名:Gallus gallus var.domesticus
英名:domestic chicken

ニワトリは、東南アジアや中国、インドなどに分布する野鶏の一種セキショクヤケイ(赤色野鶏Gallus gallus)から家禽化(人工的に飼育管理すること)されたと考えられています。また、ニワトリは目的に合わせて人為的な品種改良が盛んに行われてきたため、採卵用のレグホン種、食肉用のブロイラー種、闘鶏用の軍鶏などさまざまな品種が存在しています。

ニワトリは年中繁殖可能で、卵を取り除くとまた産むという補卵性を利用することで容易に採卵でき、有精卵や初生ヒナ(ヒヨコ;全長15cm程度)を安価かつ安定的に供給できるというメリットがあります。ニワトリの卵と胚は比較的大きく、発生初期段階での操作や観察が容易であるため、古くから発生生物学の研究に用いられてきました。神経系の発生に関しても、ニワトリとウズラのキメラを用いた研究がよく知られています。
ヒヨコを実験動物に用いる最大のメリットは、早成性(孵化後すぐ自立して採餌する)の鳥類であるため、孵化後すぐに学習実験ができる点にあります。また、ヒヨコの脳は同時期のラットやマウス、ウズラなどよりかなり大きく、幼若個体の脳研究に有利です。「三歩歩くと忘れる鳥頭」などと喩えられますが、実際のヒヨコはとても賢い動物で、脳研究の有用な実験動物でもあるのです。

竹内研究室では、上記の特徴を活かしてヒヨコにおける脳と行動の関係を探っています。また、内分泌撹乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)の作用機構を明らかにする目的で、孵卵前の鶏卵に環境ホルモンを投与し、母鳥を介した次世代暴露の想定条件下で現れるヒヨコの行動と脳への影響を調べています。

 

生物紹介のページに戻る