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数学科 浅芝秀人
新入生の皆さん，ご入学おめでとうございます．入学後すぐに非常事態となりましたので，新入生気分からはほど遠かったことと思います．その点，気の毒でなりません．
在学生の皆さんにとっても，授業は慣れない遠隔の形で始まり，課題も本当に全部提出しているのか確信のないまま進み，不安で忙しい毎日になってきていることと思います．一日も早く対面での普通の授業ができることを望んで止みません．学生の皆さんだけでなく，教職員にとっても，このようなことは初めてのことで，戸惑い続きです．そのような状況のなかでも，何とか楽しみを見つけて，この騒動の収束するのを待つしかありません．
私の専門は数学で，本来今年度前期は海外出張しているはずでしたが，この騒動のため延期となり，後期の授業を前期に移しました．これまであまりできなかった，授業用テキストの整理をしながら，初めての授業用動画作成にも取り組み，これらに楽しみを見い出しながら，なんとかこなしている状況です．セミナーの方は，海外からもできるように準備していましたので，ちょうどそのことが役に立っています．毎週3回遠隔で教育セミナーをこなしています．今回大学で作成された教材は，蓄積され改善され，今後状況が落ち着いてからも予習や復習に使えるように活用されていくことと思います．
単独の研究や毎週の遠隔セミナーでの共同研究はこの騒動とはあまり関係なく普通に進んでいますが，実際に会って行う共同研究は延期になり，計画は立てらず止まっています．セミナーや研究集会もことごとく延期あるいは中止となり，インターネットを通した遠隔セミナーが世界のあちこちで開催されるようになっています．
現在のところ，この形でしか開催のしようがありません．外国のセミナーに参加できるようになったのはいいのですが，参加するセミナー数が増え忙しくなりました．また，ヨーロッパで開催されるものは，日本時間では夜9時や10時に始まりますので，生活のリズムも崩れてきそうです．右の画像は，遠隔セミナーの背景として使っているものです．
以上，変化した環境のなかでの過ごし方について述べてきましたが，今後のこともありますので，少なくとも理学部に所属している者として，事実に即した冷静な目でこの騒動をしっかりと見ておく必要もあるように思います．