ブログリレー(田阪美樹)

ブログリレー

地球科学科 田阪美樹

私は小さい頃から、河原に落ちているキレイな石を集めるのが好きな子供でした。
高校の時は、地学を勉強してキレイな石や鉱物のことを勉強したかったけれど、高校地学の教科書には石の話はあまり載っていませんでした。石について勉強したいという思いを胸に、私がこの静岡大学理学部に入学したのは10数年前です(私はこの大学の卒業生です)。静岡大学では地学研究会というサークルに所属し、サークルのみんなで長野、岐阜、石川、新潟など車で鉱物・化石採集に行きました。大学は自分の好きなことを、好きなだけ勉強できる場所だと思います。大学生活は「大きく叩けば、大きく響く。小さくしか叩かないと、小さくしか響かない」と思います。不思議なもので、今でも石について勉強しています。石は奥深く今でも全然良く分かりません。

緊急事態宣言を受け、自粛生活により日々の暮らしを制約されているこの閉塞感は、私がアメリカに留学していた時と、どこか似ているように思います。私は博士号という研究者としての初心者免許を手に入れた後、アメリカのミネソタ大学に3年半留学していました。ミネソタ州は、ミシシッピ川と五大湖の1つであるスペリオル湖がある牧草地帯、いわゆるアメリカの田舎です。日本人はいません。日本語を話す機会もなし。日本食も手に入りません。ラーメンもありません(泣)。アメリカは野生のリスが、日本で言うスズメやカラスのように沢山にいます。当時英語があまり上手に話せなかった私は、道路で車に轢かれ死んでいるリスの死骸が朽ち果てて行く姿を日々観察し、自分もこのリスのように安定陸塊の真ん中で誰にも気づかれず朽ち果てるのではいかと暗い妄想に駆られていました。

リスに思いを馳せるとともに、地球の地下深くのことも考えていました。私は地球の深部、マントルという場所にある岩石の研究をしています。もっと深く、この石を理解するにはどうすればいいのか、どうやってマントルは流動しているのか、思いを馳せながら、研究室で徹夜の実験をしていました。ラボマネージャーが朝6時に来るので、一緒にエスプレッソのコーヒーを飲んで、ベーグルにスモークサーモンとクリームチーズを挟んだサンドイッチを食べるのが日課でした。世界が平和になったら、アメリカにもまた行きたいなぁと思います。

マントルの石、かんらん石(宝石名:ペリドット、8月の誕生石)

学生さんには、大きく叩いて大きく響かせ、大学生活を謳歌して欲しいと思っています。ちなみに私が大好きなマントルの石、かんらん岩はとっても硬く、ハンマーでガンガン叩くと火花が散って、キンキン音をたてます。大きく叩いても全然割れません。学生のみなさん、静大へようこそ。好きなことを好きなだけ勉強できる日々の始まりです。