ブログリレー(岡田令子)

ブログリレー

生物科学科 岡田令子

理学部・理学専攻の皆様、こんにちは。
生物科学科の岡田です。

予想外の事態となり、戸惑ったり、大変な思いをしている人も多いと思います。
元気に過ごしていますか? 困ったことや悩みなどあれば、一人で抱え込まずに誰かに相談してくださいね。
大学でも指導教員や身近な教員、学務係、質問箱、保健センターなど様々な窓口がありますから、遠慮しないで声をかけてください。

研究環境も生活もがらりと変わってしまった中で改めて考えたのは、このような状況を克服するために最も大切なのは、やはり科学の力ではないかということです。

COVID-19の感染者の状況を調べ分析し、根拠に基づいた治療法や対応策を取る、対応について適切であるかどうか常に評価し、改善していく、こういった手順は、全て科学的な事実と適切な手法によって行われなければいけません。

そのほかにも、今ある情報をもとに今後起こることを予想するとか、ウイルス自体の構造や性質を明らかにするとか、ワクチンや治療薬の開発するとか、人の生活に及ぼす影響を明らかにするとか……、あらゆる面から世界中の科学者が問題の解決に取り組んでいます。

今回の問題に関して、われわれが直接的にできることはほとんどないかもしれません。
しかし、理学部・理学専攻の皆様は、基本的に自然の真理を探求する人々です。
アプローチ方法や興味のあり方は人それぞれでしょうが、正確な情報・科学的事実を得ること、合理的で適切な分析結果を導くことの大切さをよく理解しているのではないでしょうか。

不安な気持ちは、判断力を鈍らせがちです。
インターネットも含め情報があふれていますから、間違ったことを事実と信じ込み、不適切な結論に飛びついてしまう人も出てきます。
科学的な裏付けなく、気合や根性、あるいは人と人との絆だけで乗り切ろうとしてしまう人なども現れるでしょう。

自分自身がそうならないよう気をつけるのはもちろんですが、友人や家族など身近な人をはじめ他の人にも良い影響を及ぼすことも考えて欲しいと思っています。

これからも生きていく社会が、より良い方向へ進むように、自分なりに考え、行動して欲しいと期待しています(私も頑張りますが)。

なんだか堅苦しくなってしまって嫌な感じなので、最後におすすめの本を紹介します。
「火星の人」アンディ・ウィアー(ハヤカワ文庫)です。
有人火星探査での事故でたった一人火星に取り残されてしまった宇宙飛行士が、科学とユーモアを武器に立ち向かうお話です。
マット・デイモン主演で映画化もされました(邦題「オデッセイ」)。映画の方もとても良いので、こちらもおすすめです。