【第2回】同窓会と絆

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投稿者:杉田 豊
(昭和36年 教育学部卒/教育学部同窓会長)


「愛する日本に移り、余生を過ごす。多くの外国人が日本を離れる中、私の決断に驚いた人もいたが、『勇気をもらった』と言ってくれる人もいた。」

これは、4月24日、前「しずおか世界翻訳コンクール」の審査委員長であり、日本文学研究の第一人者ドナルド・キーン米コロンビア大名誉教授が、ニューヨークの同大で最後の講義を行った際、参加した大学院生に語った言葉です。

東日本大震災3・11以後、TVに釘付けのなか、この報道に接した時、私は言い知れぬ感動を覚えました。親日家とはいえキーン氏と日本の強い「絆」を感じたからです。また、昼夜を分かたず献身的な診療を続ける医師団、若者のボランティアと多くの国民が被災地に寄せる支援の姿にも日本人の「絆」を強く感じ心を揺さぶられました。

3・11は現代の私たちに様々な示唆を与えてくれました。節電をはじめ浪費社会からの脱却、「価値観」の転換はその一つです。今一つは、「絆」の大切さです。

震災の復旧に際し、組織が確立している自衛隊、警察、消防関係の活躍は誰の目にも頼もしく、危機に際し統制のとれた組織がいかに重要かを国民に印象付けました。そしてこの組織を機能させる根幹は同志の信頼関係であり、「絆」であることを実感しました。

日本中を沸かせた「なでしこジャパン」にも強い意志と仲間の「絆」を感じました。

私たち教育学部の同窓会はこれまで強い「絆」で結ばれていることを誇りとしてきました。今の度の震災で改めて「絆」の重みを感じています。今後、同窓会としてより強い「絆」のもと、さらなる社会貢献を胆に銘じているところです。


【皆様からお寄せいただいたコメントを紹介しています】

このたび、リレーエッセイを企画していただき、卒業生の一人として、大変、うれしく思っています。

既に2つのエッセイを拝読させていただきました。ありがとうございます。

このリレーエッセイは、在校生と卒業生との絆を、卒業生と大学との絆を創っていく、大きな力の一つになるものと確信しています。

ところで、ややもすると、この世の中には、一人だけで自分勝手に生きようとしている人間も見られますが、思いやりの気持をもち、助け合い、支え合って生きていくことの協働・協同社会が大事であります。このとき、絆の強さや大きさをどの程度持ち合わせているかと言うことではないでしょうか。

私たちは、絆を創り、絆の中に生きることの大切さを、人生の銘にする必要性を感じます。今まで、静岡大学を卒業し、社会で活躍している有為なOB・OGの数は計り知れない程、大勢いらっしゃいます。この宝が何らかの絆で結ばれるなら、在校生に大きなメリットを創出させるだけでなく、静岡大学のさらなる発展を創出したり、同窓会の発展を創出するものと確信しています。

このようなことから、今後のリレーエッセイの充実・発展を心から期待しています。

最後に、静岡大学の学生・教職員の御活躍、そして、静岡大学のますますの御発展をお祈り申し上げます。

昭和43年3月卒 文理学部第16回 数学科 水口好美