4.柿田川河床に生息する微小底生動物
柿田川湧水湧き間より300m流下した八ッ橋および600m流下した清水小学校 教材園の河床堆積物では、4つの門(Tardigrata門、Artpoda門、Mollusca門、Annelida門)に属する微小底生動物が確認されました。写真に示したように、貝形虫類の、Cavernocypris属、Stenocypris属、Darwinulla属のFabaeformiscandona属のそれぞれ1種、橈脚類カラヌス目の1種、昆虫類ユスリカ科の幼生、端脚類ヨコエビ目の1種、クマムシ類の1種、環形動物類貧毛綱の1種、二枚貝類の幼体、巻貝類の幼体の生息を確認できました。
表 柿田川河床堆積物に生息する微小底生動物.
(静岡大学理学部 塚越哲先生 分類)
柿田川河床堆積物に生息する微小底生動物の顕微鏡写真
(静岡大学理学部 塚越哲先生 撮影)
水生無脊椎動物で構成される微小底生動物は,特に分類学的多様性が高く、下位分類階級の同定には専門家の知識が必要とされ、未記載種も多く含まれることが予想されます。貝形虫類については、湧水にのみ生息する分類群(Cavernocypris属)と淡水に広く生息する分類群(その他)の両方が見いだされましたが、種レベルまで同定を進めれば、さらに個々の種の生息環境に適応した細かい分布の実態が明らかになると考えられます。(静岡大学理学部 塚越哲先生 談)
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本研究は、公益財団法人 河川財団の河川整備基金助成事業(25-1215-202, 26-1215-019, 27-1215-014, 28-5211-039)によって実施しました。