夏らしい日々が続いていますが、夏はこれからが本番。そう、12月に京都で開催される10th International Peptide Symposiumに向けて、これから半年間がさらに研究の本番。IPSに向けて、毎日ペプチドに語りかけましょう。
さて、今回は依頼講演③でご講演いただく玉村啓和先生のインタビューをご紹介させていただきます。
玉村啓和先生(研究室HPより)
玉村啓和先生は、東京都のど真ん中、東京駅から最も近い国立大学・東京医科歯科大学生体材料工学研究所に在籍し、有機化学から生物学へのアプローチの観点から「創薬化学、ケミカルバイオロジー、有機合成化学、ペプチド化学、分子生物学、蛍光プローブ開発」と幅広く展開されています。
若手ペプチド勉強会に参加されたことがある方はわかると思いますが、夜の自由討論では若手にとても気さくに話しかけていただき、会場を沸かせてくれる「あの」玉村先生です。今年の自由討論でも、台風の中心にいるのは間違いありません。
ご存知の方も多いと思いますが、玉村先生は、世話人②(シンガポール産)の元ボスであり、帰国後3年半の間、助教として修行させていただきました。その当時を思い返すと…このHPには書ききれないので、早速インタビューにいきたいと思います!それでは、若手ペプチド勉強会には必要不可欠な玉村啓和先生らしいインタビューをどうぞ!!
1)現在、どんな研究をされていますか?その研究との出会いについても教えてください。
ーペプチドミメティックの化学と応用、がん・ウイルス感染症をターゲットとした創薬化学、光化学を活用したケミカルバイオロジー
ー京大薬学部薬品製造(矢島研)に配属され、ペプチド合成を始めたことがこれら今の研究につながっている。
2)今後どのように展開していきたいですか?
発散型になりますが、低分子、中分子、高分子それぞれの特徴を活かした創薬研究を行いたい。単に活性上昇だけでなく、新たな治療標的の発見や手法の探索を意識している。
3)あなたが尊敬している科学者を教えてください。またその理由は?
お世話になった先生方は3人とも
・矢島治明先生:退官までにやり残しなしで、やれることをすべてやられた。計画性がすごい。
・藤井信孝先生:常にバイタリティーのある研究を意識されている。スケールがひとと違う。
・Victor E. Marquez:いつもニコニコ、never angry
それ以外では
・Prof. Robert Bruce Merrifield:ペプチド固相合成成功から、そのあとの波及効果がすごい。DNAの固相合成法の確立、自動合成
機の開発、コンビナトリアルケミストリーへの展開等。
・山中伸弥先生:常識を超えた発見をされた。iPS細胞をなかなか信じてもらえない時に我慢された。
4)研究能力の中であなたが最も大切だと思う能力を1つ教えてください。またその理由は?
研究をやりたいという気持ちがあれば、能力は関係ないし、向上もしなくていい。常に、”笑い”を忘れない。研究はうまくいかないことばかりなので、へこたれな
い、落ち込まない明るさが大切。こころで悩んでいてても、いつも笑顔で。
5)若手研究者に特に伝えたいことを教えてください。
とにかく、人間関係を広げよう!将来、必ず力になる。
若手ペプチド夏の勉強会は、いいチャンスだ!