永久磁石モータの低トルクリプル化

JAXAの戦略的基礎開発研究テーマ「これからの科学衛星・探査機ミッションを捉えたモーションコントロール技術の展開研究」(代表者:原進教授@名古屋大学)のサブテーマとして,精密位置決めを可能にする超低トルク脈動の電磁モータシステムの研究開発を行っています.モータのトルクリプルは大きく分けて,

  • 電流を流さないときのコギングトルク
  • 電流を流した時のトルクリプル

に大別されます.本研究では,まず電流供給時の電磁トルク脈動を計算するための,永久磁石モータの数学モデルを導出し,このモデルを基に,第6次および第12次成分の電磁トルク脈動を理論的に零とする巻線構造を提案しました.さらに,コギングトルクをも零とするスロットレストロイダル巻線構造を採用し,有限要素電磁界解析にてトルクを計算し,計算上,総合のトルク脈動を0.1%未満に低減可能なことを示しました.実機を製作し,性能評価を行っています.このスロットレス2層トロイダル巻線は,アサヒ電気研究所さんに製作していただきました!

提案するスロットレス2層トロイダルモータ構造
2層トロイダル巻線固定子
小形高速テストベンチ(最大回転数25000rpm)