セキセイインコ

セキセイインコは、全長20cm程度の小鳥で、原産地オーストラリアでは、群生して何万羽という大群が草原地帯をとびまわっています。和名の背黄青鸚哥は、日本に最初に来た個体の背中が黄色と青色だったことに由来するようです。一般に、「並セキセイ」「高級セキセイ」「大型セキセイ」に分かれていますが、「並セキセイ」にもさまざまな羽毛の色があり、その中でも原種（Melopsittacus undulatus）に近いものは、下記の写真のように体の背の部分が黄色で下半部が緑色をしています。また、頭頂部から後頭部および背面にかけて細かい黒の横紋模様があるのが特徴です。雌雄がほぼ同じ体色で、特にヒナの時は外形から区別することは不可能ですが、成鳥では「ろう膜（くちばし根本の鼻孔を覆う膜）」の色が水色なら雄、ピンクなら雌と区別できるようになります。

セキセイインコは、性質が温和で、根気よく教えれば簡単な物まねや芸を覚えます。また、インコ類としては小型ですが、とても丈夫で、粗食に耐え、繁殖も容易なため、理想的な飼い鳥といえます。そのため、世界的で人気があり、わが国でももっとも多くの人に飼われている鳥の一種です。わが国には明治の終わり頃に輸入されましたが、はじめにオーストラリアからイギリス本国へ輸入され、そこで品種改良が進み、今では色や模様のバリエーションが5000以上もあるといわれています。声の物まね（声帯模写，模倣発声）ができる動物としては九官鳥やオウムが有名ですが、セキセイインコはオウムの仲間なので、短い単語だけでなく長い文章までも人の口調をまねてしゃべることができるようです。当研究室では、この模倣発声に関わる脳内メカニズムを解明するため、日々インコ達と格闘しています。