ブログリレー
生物科学科 竹内浩昭
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため不要不急の外出を自粛し………の状況で、静岡大学関係者の皆さんはどうお過ごしでしょうか?
気分転換に、生き物の話に少しお付き合いください。
8年ほど前の第62回「サイエンスカフェ in 静岡」で最初のスライドにこんな文字を書きました。
若葉の緑が目にしみる季節、あいにくヒトは自宅待機を要請されていますが、ウグイスは野外でさえずり練習中。春先はさえずりが下手なウグイスですが、練習(いわゆる「ぐぜり」)を重ねることで初夏には美しい「ホーホケキョ」を聞かせてくれるようになります。
3〜4月の暖かな日にはテントウムシやトカゲが動き出し、アブラムシを食べる幼虫や羽化したばかりで薄い黄色のテントウムシ(写真1)、尾っぽのきれいなニホントカゲ幼体が見られます(写真2)。
写真1 羽化したばかりで黄色いテントウムシの成虫 |
写真2 尾っぽが青いニホントカゲの幼体 |
3月下旬〜4月初旬に産まれたヒキガエルの卵塊からは、多くのオタマジャクシが孵化し、後脚が出て、前脚が出て、やがて1センチ弱の小ガエルになって、今まさに旅立とうとしています(写真3)。
4月下旬には産卵のためにモリアオガエルが森から出てきて(写真4)、ゴールデンウィーク〜6月中旬には木に産みつけられた泡状の卵塊が見られます(写真5)。
写真3 変態したばかりのヒキガエル成体(小ガエル) |
写真4 繁殖のために森から出てきたモリアオガエル成体 |
写真5 木の葉っぱに産み付けられたモリアオガエルの卵塊 |
7月になるとセミの幼虫が這い出して、羽化したセミの成虫(ニイニイゼミ,クマゼミ,アブラゼミ,ミンミンゼミ,ツクツクホウシ,ヒグラシなど)が8月末まで鳴き続けます。
新型コロナなんてどこ吹く風、静岡大学の自然はいつものごとく振る舞うはず。
セミが鳴く頃までに、ヒトの生活がいつもの日常に戻っていることを期待して、今は心と体の充電に励みましょう。