ブログリレー
化学科 守谷誠
この大型連休、皆さんはどのように過ごしましたか?連休中も課題提出のメールが続々と来ていたので、在宅講義に精を出していた人も多いかと思います。私の研究室でも実験は自粛していますが、メンバー各自で書籍や論文などをまとめ、その内容を共有することで、お互いに知識を蓄積しようという取り組みをしています。制約がある中でも、やるべきことをきちんとやるという点で、静大生は頼もしいなと日々感じています。
さて、20年ほど遡りますが、私が大学院生(M1)だった頃にアメリカ同時多発テロがありました。まだ生まれていなかったという人も、旅客機がビルに衝突する映像を一度は見たことがあるでしょう。この出来事から数か月後、世の中の勢いがしぼんでいくなかで、私の世代は就職活動となります。ふたを開けてみると、非常に厳しい状況。「研究は面白いから博士課程に興味はあるけど、先立つものが。。。やっぱり企業に就職かな。」と進路を迷っていたのですが、採用自体を見送る企業が多数、求人がある企業でも募集人数は若干名。なんてこったと思いつつも、どうにもなりません。それで吹っ切れました。「やりたいことをやるぞ。」と、就職活動の代わりに奨学金を借りて博士課程に進学しました。こんな具合で決めた進路ですが、得難い経験を積みながら、なんだかんだ充実した日々を送っているので、この決断は全く正しかったと自信を持っています。
COVID-19をめぐる社会情勢には、自分が進路に悩んでいた頃に似た雰囲気を感じます。先行き不透明な将来に若干の不安を持っている人も居るかもしれません。こんなときこそ、「自分のやりたいこと」に改めて思いを馳せてみるのはいかがでしょうか?基本的に、大学の講義(勉強)は課題やレポートなどの「やるべきことをやる」ものと言えるでしょう(静大生の得意技!)。では、何のために勉強をするのでしょうか?いろいろな考えがあると思いますが、私は先に挙げた「自分のやりたいこと」を成し遂げるためだと思っています。
あまり堅苦しく考える必要はありませんので、余裕があれば、自分がこれからやりたいと思うことを考えてみてください。やりたいこと(目標)が定まれば勉強の効率が上がり、勉強の効率が上がって知識が蓄積されれば目標も変わるものです。そして目標が変わると、新たなことを学びたくなるものです。実際、私も博士課程進学時にやりたいと思った研究と全くかけ離れた内容の研究(次世代電池に向けた材料開発)を今やっています。
今回の在宅講義の期間の過ごし方は人それぞれだと思いますが、皆さんが専門分野を静大で勉強することについて、ぼんやりとでも自分なりの意味を見つけられる機会になると良いなと思います。