ブログリレー(木村浩之)

ブログリレー

地球科学科 木村浩之

先日、パンデミック映画「感染列島」(TBS/東宝、2009年)をみました。内容は非常にリアルであり、医療崩壊とはどのようなものか、疑似体験できました。物語では、日本で「BLAME(ブレイム)」という新型ウイルスの感染が拡大していきます。当初、医療関係者は新型のインフルエンザではないかと考えていたのですが、実際には海外から持ち込まれた新型ウイルスで、致死率が非常に高い特徴を持っていました。映画の中ではWHOからメディカルオフィサー(檀れい)が派遣され、新型ウイルス感染拡大の解決方法を4つ示しました。

  1. それは何か(ウイルスの正体)
  2. それは何をするのか(感染症が引き起こす症状)
  3. それはどこから来たのか(感染経路の究明)
  4. それをどう殺すのか(治療法)

その後、救命救急医(妻夫木聡)が活躍し、また、半年後にワクチンが完成したこともあり、BLAMEは徐々に沈静化していきました。最終的に日本での感染者は3,950万人、死亡者は1,120万人になったというストーリーでした。

さて、昨年からのコロナ禍とこの映画を比較すると、実際の新型コロナウイルスの日本での感染者数と死亡者数は桁違いに少ないです。また、海外の国や地域と比較して、日本での新型コロナウイルスの感染者数と死者数も桁違いに少ないです。この理由はどこにあるのでしょうか。日本は島国だから?日本では手洗いやうがいの習慣があるから?日頃からマスクをつける人が多いから?毎日入浴する習慣があるから?日本人が特殊な遺伝子を持っているから?幼児期にBCG接種するから?ハグや握手をしないから?玄関で靴を脱ぐから?そもそも、PCR検査数が少ないから?山中伸弥教授はファクターXと呼んでいて、この理由を明らかにすることが重要であると指摘しています。ファクターX、私も知りたいです。

また、「3. それはどこから来たのか」、「4. それをどう殺すのか」について、できるだけ早く答えを見つけなくてはなりません。ちなみに、私が映画の脚本家であれば、「5. それとどのように生きるのか(共生法)」を加えます。ウイルスをゼロにすることは不可能だから。