【第33回】ゲームという仕事、仕事というゲーム

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投稿者:谷沢 智史(平成15年 情報学部 情報科学科卒)

ゲーム好きからはじまって情報科学の道へと進み、今はソフトウェア開発を専門としていますが、あれこれ場所を転々としながらも気がつけば10年ほど同じ世界でご飯を食べさせていただいています。ソフトウェアに限らず、システム全般に対する要請は常に複雑化しています。最近は、これらを開発する仕事そのものをあえて「ゲーム」と捉えるようにしてみています。

まず、ゲームは「何をもってクリア条件とするか」といったゴールを把握することが重要となります。コンピュータゲームは概ねシンプルですが、世の中はそうはいきません。ただ、シンプルでないことを放っておいてしまうと、「がむしゃらにがんばったけどこのゴールはクリア条件とは関係ありませんでした!」となりかねません。

また、自分たち自身と、自分たちが戦う相手がどのようなパラメータを持っているのか把握しなければなりません。ゴールとパラメータ設定がちぐはぐないわゆる「無理ゲー」であるかもしれません。それに気づいたらゴールかパラメータを見直すかして、ゲームバランスを調整しなおすしかありません。10年ほど開発の仕事をしてきて痛感しましたが、その場の根性ではパラメータは変わりません。これまでのレベル上げによって得ただけのパラメータしか発揮されません。

そう考えていくと、ソフトウェア開発というゲームは、達成すべきゴールも必要パラメータもどんどん変わり、なかなか難易度の高いゲームに思えてきます。しかしその分まったく飽きることがないのもまた事実。まだしばらくは体力を維持しつつこのゲームを遊んでいきたいと思います。