新型コロナウイルスによる情報学部生の経済状況への影響について

新型コロナウイルスによる情報学部生の経済状況への影響について(2020年7月実施)

1. 調査の概要

本調査は、2020年度「フィールドリサーチ」(情報学部情報社会学科専門科目)の調査実習の一環として実施された。本調査では、先行調査からはわからなかった収入・支出といった経済面への影響について具体的な金額を調査し明らかにしていく。それらの結果から静岡大学情報学部の学生には具体的にどれほどの影響があったのかを分析し、考察していく。調査の概要は以下の通りである。

調査名:「新型コロナウイルスによる情報学部生の経済状況への影響について」

調査実施者:篠原一希、二瓶知将(ともに情報学部情報社会学科4年)

調査対象:静岡大学情報学部に所属している2年生252名と3年生339名の計591名

調査方法:Googleフォームを用いたwebアンケートによる量的調査

調査期間:2020年7月25日(土)14:25~2020年7月30日12:00

調査票の回収状況:591名に送信,有効回答数151件,有効回答率25.5%

2. 調査のまとめ

今回の調査では調査に協力いただいた静岡大学情報学部の2年生、3年生の計151名のうち約4分の3が困窮しておらず、残りの約4分の1が現在経済的に困窮していることが明らかとなった。現在の経済状況に新型コロナウイルスの影響があると回答した学生は4割強いた一方で同程度に特に影響がないと回答した学生がいたことも明らかとなった。影響があると回答した中ではアルバイト収入の減少が最も多く、特に飲食業でアルバイトをしている学生に影響が大きいことが分かった。収入について、アルバイト収入は3月から5月にかけて減少したと答えた割合が多く、5月から7月にかけてある程度回復していることもグラフから分かったが、5月と比較した7月のアルバイト収入は変わらなかったと回答した学生が約3分の1いたことからも完全に回復したとは言えないとも考えられる。

支出について、教養・娯楽費には新型コロナウイルスによる影響が見られた。教養・娯楽費はコロナ禍以前では月に2万円以上使っていた学生が最も多かったが、コロナ禍とそれ以降ではその割合が減少し7月になっても元に戻っていなかったことが分かった。他に支出として食費と水道・光熱費という生活費に関する質問もしたがコロナ禍以前と以後で大きな差が見られず、金額が変わらなかったという回答が最も多かった。「新型コロナウイルス感染症拡大による 学生への影響アンケート調査報告」【日本経済大学学生ボランティア団体おもいで 2020】では生活費が最も足りていないとのことであったが今回の調査では困窮から生活費を削減していた様子は特に見られなかった。また、水道・光熱費については「金額が詳しくわからない」と回答した学生の割合が最も高かった。

本調査では、クロス集計により学科ごとに一定の差があることも明らかとなった。情報社会学科の学生はアルバイト収入が生活に必要不可欠な割合が高く、アルバイト収入の減少に影響があった割合や親に援助を求めている割合も他学科より高かったことからコロナ禍において新型コロナウイルスの影響を大きく受けていたことが分かった。行動情報学科の学生はアルバイト収入が生活に必要不可欠と回答した人こそいなかったものの他学科より現在困窮している割合が高いことが分かった。情報科学科の学生は3月と比較した5月のアルバイト収入では半数以上が金額に関わらず減少しており、5月と比較した7月のアルバイト収入では半数以上が変化がなかったことからアルバイト収入がコロナ禍以前に戻っていない学生が多いことが分かった。これらのことから情報社会学科と情報科学科の学生は特にアルバイト収入に大きな影響を受けていたことが明らかとなった。

全体として生活費には新型コロナウイルスの影響は少なく、影響があったものについては3月から5月にかけてのアルバイト収入や教養・娯楽費に減少が見られたが、7月にかけて完全とは言えないものの回復傾向にあることが明らかとなった。しかし現在経済的に困窮している学生が約4分の1いることも確かである。コロナで困窮している学生に着目するとアルバイト収入に回復傾向が見られずコロナ禍以前に戻っていないことが明らかになっている。またコロナで困窮している学生のコロナ禍以降の経済的支援申請状況では「学生支援機構の緊急無利子給付金」を知らない学生が多いことや「静岡大学未来創生基金による学生支援貸付金」があまり使われていないことが明らかになっている(図20)。学生への周知活動を今以上におこなったり、申請しやすい内容にしたりといった対策をおこない、決して少なくない困窮している学生へのいち早く、申請のしやすい経済的支援が必要であると考える。

3. 調査報告書

調査報告書(概要版)のPDFファイルはこちら

 

Last updated: 2020-09-11