地域の外国人の暮らしと魅力を探るフィールドワーク
2025年9月27日から29日にかけて、静岡県川根本町にて5年ぶりとなるゼミ合宿を実施しました。今回の合宿は、地域に暮らす外国人住民の生活実態と課題を理解し、地域の魅力をグローバルな視点から再発見することを目的としたフィールドワーク型の調査活動です。
川根本町は、豊かな自然環境と伝統文化を有する地域でありながら、近年では外国人住民の定住も進んでいます。本合宿では、地域に暮らす外国人の方々を主なインタビュー対象とし、日々の暮らしの中で感じている課題、地域社会との関わり、文化的な違いや共通点などについて、丁寧にお話を伺いました。参加学生は、言語的・文化的背景の異なる語りに耳を傾けながら、地域の多様性と包摂性について考える貴重な機会を得ました。
今回の合宿では、方言調査や祭礼に関する聞き取りは十分に行うことができませんでしたが、次回以降は地域の日本人住民の方々から、祭りや語りに関する記録を採集し、方言の保存にも取り組んでいく予定です。地域に根ざした無形文化の継承可能性を探ることは、研究室の中長期的なテーマの一つでもあります。





この活動は、現在academistにて展開中のクラウドファンディングプロジェクト「皮影戯を通して無形文化遺産と方言を未来へつなぐ」とも連動しています。皮影戯(ピィインシー)は、語り・音楽・演技・絵画が融合した総合芸術であり、地域ごとの方言文化が色濃く反映されています。本プロジェクトでは、皮影戯の実演・記録・分析を通じて、方言と無形文化の保存・継承を目指しています。
ゼミ合宿で得られた知見は、皮影戯プロジェクトの「地域文化の多様性と継承可能性を可視化する」という研究テーマにも直結しており、今後の研究室活動の基盤となります。地域の方々との協働を軸に、文化の持続可能性を支える仕組みづくりを進めてまいります。
現在、academistプロジェクトには72名の方からご支援をいただき、達成率は79%に達しています。温かい応援に心より感謝申し上げるとともに、引き続きのご支援・ご紹介をお願い申し上げます。