今回は、情報学部の2号館にほど近い場所で活動している「静岡大学弓道部」を紹介します。「大学から新しいことに挑戦したい」という気持ちはあるものの、授業もあるし、激しい運動は少し気後れする……。そんな方にこそ、弓道という選択肢があるかもしれません。

弓道は、他のスポーツと比べて少し異色の存在です。ルールは難しくありません。サッカーやバスケットボールのような激しい接触や、複雑なチーム連携は主軸ではありません。弓道は自分自身と向き合い、自分の心身を高めていくスポーツと言えます。ですから、弓道では、個人の技術や精神状態が結果に大きく影響します。一射ごとに姿勢や呼吸、集中力を整え、自分自身と向き合う時間は、日常生活ではなかなか得がたいものです。

特に初心者にとっては、上達の過程が明確で、「昨日の自分よりも良い一射ができた」という実感を積み重ねやすい点が魅力です。真っ直ぐに的を見据え、自分の呼吸を整え、正しい姿勢で弓を引く。放たれた矢が的に吸い込まれるその瞬間まで、向き合うのは相手ではなく「自分自身」です。

また、弓道は単に的に当てるだけでなく、所作の美しさや礼儀も重視されます。最初の約4ヶ月は基礎練習にじっくり取り組むため、未経験者でも無理なく技術を身につけることができます。段階的に成長できるため、「運動に自信がない」「これまでスポーツ経験が少ない」という人でも取り組みやすいのが特徴です。

弓道は一見、あまり動かないように見えますが、実はかなりの筋力と体幹を必要とします。弓を引き絞る際には背筋や腕の筋肉を活用するため、日々の練習を通じて自然と身体が鍛えられていきます。しなやかで力強い体を手に入れられるのも、この競技の醍醐味です。情報学部で学んでいるとPC操作が多いので、どうしても体を動かすことが少なくなってきます。その点、弓道は向いていると言えるかもしれません。

また、弓道は男女が同じ土俵で等しく楽しめる稀有なスポーツです。筋力だけに頼らず、骨格や呼吸を活かしておこなうため、性別を問わず高い的中精度を目指すことができます。実際に、女性部員も男性と同じように練習し、競技に参加しています。

現在、部員数は31名。内訳は工学部22名、情報学部9名となっており、男性27名、女性4名の構成です。特筆すべきは、部員の3割が大学から始めた初心者であること。経験者が7割と多いですが、入部後の4ヶ月間は基礎練習を徹底的に行うため、未経験者でも着実に上達できる環境が整っています。

【活動概要と費用について】
練習日: 月・火・水・木のうち週2日以上。学業との両立もしやすいペースです。
初期費用: 袴や道具一式を揃えるのに8万円ほどかかります。
維持費: 月々の部費は1,000円程度でそれほど高くありません。
遠征: 年に数回、愛知県などへの遠征試合があり、仲間との絆を深める旅の楽しみもあります。
初期費用は少し勇気が必要な金額かもしれませんが、一生モノの趣味、そして一生モノの「精神力」を手に入れる投資と考えれば、決して高くはありません。

「自分を変えたい」「一生続けられる武道に出会いたい」という静大情報学部の皆さん。
ぜひ一度、弓道部の門を叩いてみてください。弓を引くその指先に、新しい自分が見つかるはずです。