若田宇宙飛行士に能見研究室をご来訪いただきました!

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お疲れ様です.

本日2024年01月28日に若田宇宙飛行士が『有人宇宙活動の現状と展望 ~ISS長期滞在から国際宇宙探査へ~』という題目で静岡大学にて講演してくださいました.私も現地で講演を聞いてきましたが,若田さんのISSでの濃厚な経験を聞けて非常に感銘を受けました.「宇宙飛行士は常に学生のようなもの」という言葉から,宇宙飛行士であるために膨大な勉強が必要であること,そしてその環境の中で日本人として宇宙滞在時間が最長,宇宙飛行士としての活動期間が世界最長ということで,とんでもなく努力をされているのだなと驚嘆していました.

若田宇宙飛行士の言葉として,「人の価値は,努力の量によって決まる」というものがありますが,これを体現しているような方ですよね.これからも頑張ろうと勇気を貰えました.

さて,実は講演前に若田宇宙飛行士が能見研究室をご訪問してくださいました.学生を代表して服部が若田宇宙飛行士に能見研究室について説明させていただきました.特にSTARS-XやSTARS-Me2の説明をさせていただきましたが,様々な質問をいただき有意義な時間にできたのではないかと思っております.衛星について説明した後,研究室にて質問やサインなどしていただきました.

 

私は以前 古川宇宙飛行士との交信イベントに参加してきました にて,質問をさせていただいたので,今回は研究室の学生に質問をしてもらいました.

M1の鳥居樹君は,「宇宙飛行士としてこれだけの経験をされてきた若田さんが,いま学生に戻れたとしたら何を学ぶか?」という質問をしてくれました.これに対して,若田さんは「品質保証などについてもっと詳しく学んでおきたかった」と回答いただきました.おそらくこれは私たちが工学部機械工学科の宇宙・環境コースということを踏まえてのアドバイスをしていただけました.その心は,「宇宙飛行士として宇宙機器に関わったときに信頼保証などの重要性を感じ,工学の学生時代には学ぶ機会が希薄であった」ということからでした.

この手の質問に対しては曖昧な回答が多いと思うのですが,私たちの立場や状況を踏まえた上で明確な回答をいただけたため,学生は大盛り上がりでした.若田宇宙飛行士が講演に向かわれた後も学生間では質問の内容を振り返ったりしました.

他の質問など様々なお願いをしてしまいましたが,すべて優しくご対応いただきました.仮配属の学生は,若田宇宙飛行士の著書「一瞬で判断する力 私が宇宙飛行士として磨いた7つのスキル」をたまたま読んでいたため,その本にサインをしていただきました.家宝にするそうです.

講演でも数々のチャレンジ(困難)があったという話をされていましたが,それを乗り越えてこられた凄い方です.そんな方がこんなにも物腰柔らかく大学(院)生とお話していただけるのは非常に光栄なことだと思います.能見研究室の学生は皆良い経験だったとニコニコで卒論修論の執筆に戻っていきました.

講演では,中学生の鳥居君のした質問と同様の「中学生に戻ったら何を頑張るか」という質問に対して,「英語」や「チームワークをすること」と回答していました.どちらの回答も凄い重みがありました.英語は,若田さんがアメリカにて宇宙飛行士としてのシミュレーションをしていたときにネイティブの英語が聞き取れなくて苦労したという話から来ていました.聞き取れないときは,全部録音してその音声を聞いて勉強していたそうです.また,チームワークに関しては,ISSという閉塞空間の中でクルーとの関係が悪くなることは重大なミスに繋がるというところから来ていて,自身の野球部としての活動を踏まえての回答でした.これを聞いた小中高大生は「英語」や「チームワーク」だけでなく他のことに対しても志し高く活動していくだろうなと思いました.

目的を見据えて行動するということも仰っていましたが,その裏にはとんでもない努力があるのだろうと研究室訪問と講演からひしひしと伝わってきました.

この経験は,能見研究室の学生に非常に影響を与えたと思います.
今後も能見研究室では衛星開発(STARS-X,STARS-Me2)や探査機(MMXなど)の研究を行っていきますが,一層身を引き締めて活動していきたいと思います.

私も人の価値を高めていけるように頑張っていきたいと思います.

若田宇宙飛行士にも研究室の訪問が少しでも面白かったと思っていただけていたら幸いです.

能見研究室を今後ともよろしくお願いいたします.

服部航平

参考

静岡大学,”【参加者募集!】 若田 光一 氏 による講演会『有人宇宙活動の現状と展望 ~ISS長期滞在から国際宇宙探査へ~』を開催します 参加申し込み締切:2024年1月25日(木)”,https://www.shizuoka.ac.jp/event/detail.html?CN=9691