教育


目標
1)基礎に戻って考える習慣を身につけられるように
研究者や技術者には、それぞれの問題に対する妥当な答えを出すことが求められます。その問題に対する直接的な答えは教科書やインターネットには載ってないでしょう。そのようなものは「問題」にはならないからです。それでは、誰も知らない答えはどのように求めていけばいいでしょうか?
できることは、私たちの知っている先人の知恵を自分のやり方でつなぎ合わせていって客観的に一番いいだろうというものを示すことしかありません。私が恩師たちから教わってきたのは、要約すれば「基礎に戻って考える」ということだった、ことに気づきます。卒業研究や博士課程の研究を行う研究者が研究室を後にするときに、この「基礎に戻って考える」ということが身についているような、そういう研究教育をすることが私の目標です。

2)周りの人に理解される説明ができるように
もう一つ研究者や技術者にとって大切なのは、自分で見つけた問題や求めた答えを周りの人に理解されるように説明ができることです。問題は何か、可能な答えは何か、その中でどの答えが最善か、その効果はどれくらいか、をあなたの同僚、先生、上司、あるいは会議の参加者が理解できるように説明することです。それでは、どのようにしてそれを身につけられるようになるでしょうか?
輪講で読む教科書を単に訳してこれを話すというのではなく、そこに書かれたことをその背景を含めて説明できるようにしたり、グラフや図で書かれていることを、著者がそこには記載しなかったことも含めて説明できるようにすることを繰り返すことによって。また、自分の研究発表にたくさんの質問をもらって、それらに誠実に答えることができるようにすることによって。発表の機会をできるだけ作ることが私の目標です。

研究の流れ
卒業研究者は以下の#1-5を通して回路設計の研究方法を学び、修士課程研究者は#6-7を含めて回路設計・評価・解析という一連の設計プロセスを経験することができます。卒業研究者に求められるのは、数学的なセンスを磨きながら、回路の設計を行い、紙と鉛筆で特性を予測し、回路の振る舞いを解析することです。修士課程研究者はそれに加えて、期待した回路性能を実現する回路の設計と試作を実施することです。シリコンがどれくらいシミュレーションと異なった動作をするかを身を持って体験することができます。それらの違いが何によるものかを解析することで、現実の回路を期待通りに動作させるために必要なことを理解することができるようになります。重要なのは、研究室で具体的にどんな回路システムを研究しているかとか、どれだけうまく設計ができたかということより、あなたの研究開発の対象が今後どのようなものになっても適用できるような「研究の取り組み方」を身につけること、です。

1)自分で設計したい回路を見つける(三つの研究分野あるいはそれ以外の分野から)
2)その回路を理解する、頭の中で回路を動かす
3)紙と鉛筆で回路の最適化を行う
4)目標指標を決めてそれに合った回路を設計する
5)回路シミュレータでシミュレーションを行って、設計した回路が目標指標を満たすことを確認する
6)設計した回路図からレイアウト設計をして、シリコンに実装する
7)試作した回路を測定して回路動作を評価解析する

 研究室選びをしている学生の方へ

There is no failure except in no longer trying. ~失敗ということはない、あきらめない限り~
(アメリカの小説家:Elbert Hubbard、実践ビジネス英会話:杉田敏先生より)

すぐに役立つことはすぐに役立たなくなる(元灘校国語教師:橋本武先生)

仮説を証明するために 
学習+スマホ~0というケース
一対一
□+□=10
大学と企業の研究
再試験を逃げない学生
仕事ののりしろ
「Grit (やり抜く力)」 

(電通学会誌)回想